DiaryINDEXpastwill


2002年04月24日(水) 終わりなき夜に生まれつく

先日、約一年ぶりにある知人に会った。
彼は俺と同じ大学の理学部生なのだが、大学院は医学研究科に行こうかと思っていると言っていた。彼は分子・細胞生物学を専攻にしているのだが、その中で彼がとくにやりたい分野をやるためには医学研究科に行くほうがいいらしい。一年前には彼の専攻はまだ決っていなかったし、さらに彼が博士課程まで進んでできることなら大学に残りたいと思っていることも知らなかった。一年の月日が彼を変えたのか、あるいは俺が知らなかっただけで彼の中には元々そういう思いがあったのか。
かくいう俺自身、最近企業よりも大学に残る道に魅力を感じ始めている。ただ実際問題として、今いる大学にそのまま残るのはかなり難しいようだ。他の大学に行くのも手だが。それと、後々大学に戻るにしても、一度は社会というやつに出てみたいという思いもある。経験として。まあ、多分、一度社会に出ればそのまま大学に戻らずにその流れの中で生きていく可能性も高いだろうけれど。

ところでその彼の専攻(の一部)である分子生物学だが。
アメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)では、工学部の学生全員(専攻によらず)にMolecular Biology(分子生物学)が必修科目として課されているとか。別にMITに限らずそういう動きは他の(海外の)大学でもある。日本の大学ではないけれど、それはともかく、分子生物学。俺の専攻は電気・電子工学だけれど、生物内の分子の巧みな種々の機能(例えばエネルギー変換)の仕組みの解明が進めば、それをモデルにした電気・電子回路的装置を作成したりもすることにもなるのかもしれない。もうそろそろ電気(物理)だ生物だ、化学だといった区分けはなくなってきている。各分野の境界領域での研究が大事なのかな。でもそうするとますます必要な知識や習得すべきセンスが増してくる。いくら他分野の研究者と協同研究するにしても、自分がその他分野のことを全然知らないというわけにはいかないから。というわけで最近、分子生物学にも興味が少し湧いてきた。現在一般向けの簡単な入門ガイドブックのような本を読んでいます。専攻している電気・電子工学の勉強だけでも忙しいので本格的な分子生物学の勉強にまでは入れないだろうけど。
まあ、色々と大変なことも山積み。(科学の)研究者になりたいと思って努力しても、自分が持って生まれた才能というのは歴然としてあるわけで、その才能が足りずに終わることもある。しかしまあ、才能足りずに終わったら終わったで、それも良しと考えて努力するしかないか。がんばれば一流の研究者になれるチャンスは(今のところ)転がっているしね。ただの勘違いで無理だったとして、それで何もかもダメになったとして、人生最悪生きる気力もなくなるくらい、となれば、そのまま死ねばいいしね(笑)。別に無駄にダラダラと生きていても仕方ないし。と、こんなことはもう少し年をとって丸くなれば言わなくなるんだろうけど。死ねばいいだけなんて。いやあ、しかし、死なないということと生きているということは違うのは確かだしなあ。まあ、ただ、前にも日記のどこかで似たようなことを書いた気がするけど、実際に死んでしまうとそこで終わりだからまあ死なないでしょうね。死ぬというのは「戦う」のを放棄することですから。何に対しての「戦い」か。まあ、それは人それぞれ。
う〜ん、まあ、でもやはり生きていても仕方ないと思ったら死ぬかもね(笑)
要するに今は生きていたいと思っているということです。肯定的に積極的に。


sora |MAIL