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『ITとネットの進化によって将棋の世界に起きた最大の変化は、将棋が強くなるための高速道路が一気に敷かれたということです(中略)将棋に強くなるために必要な情報、つまり定跡研究成果、棋譜データベース、終盤のパターン化や計算方法の考え方といった情報の整理は、この一〇年恐ろしいスピードで進んだ。そしてその整理された情報を、わずかなコストで誰もが共有できる時代になった』 (羽生善治―梅田望夫『ウェブ進化論』より)
インターネットに代表される情報技術(IT)の恩恵により、我々はそれ以前に比べて極めて容易に多種多様な情報を得ることができるようになった。言い換えれば、ITを使いこなせるかどうかで個人が得られる情報量に圧倒的な差が生じるということであり、それがいわゆるデジタル・デバイドへとつながる。そしてさらに、ITが国と国との距離を縮めることにより、労働力としての人材のデバイドも加速する。
『地球の裏側の国との通信コストが実質的にゼロに近くなり、今後も途上国が極めて優秀なナレッジ・ワーカーを何百万人も生み出し続ければ、北アメリカやヨーロッパ、日本などでの労働環境は劇的に変化する。押しなべて言えば、財務分析、放射線医学、コンピュータ・プログラミングなど多くの種類の「左脳主導型」ルーチン・ワークは、よりコストの安い海外で行い、光ファイバー網を通じて瞬時に顧客に届けられる―そんな仕事の形態になっていくだろう』 (ダニエル・ピンク(大前研一訳)『ハイ・コンセプト 「新しいこと」を考え出す人の時代』)
日本のような先進国にいるなら、高いコストに見合う能力を身に付けなければ、将来の雇用の保証はない。
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