ちぃの日記

2004年07月21日(水)  所長の涙

少し前に。

保育所がらみでひと悶着があったのです。

その時はなんだかやるせない感じだったので日記には書いていなかったのですがね。

一段落ついてきたので書けるようになった気分。



んーと、ゆずのクラスの担任がちょっとクセのある人で。

悪気が無いのはわかっているのですが、

子育てに理想論を組み込んで実践してしまうタイプ。

そして、その型にはまってくれない(要するにやんちゃ&おてんば)タイプには

厳しく接すると言う、そういう方なのです。年齢は50歳を超えていらっしゃいます。

自分の子供を育てた経験は無いそうです。


先月に個人懇談会があったのですが、個性の強い子供達の母親は皆攻撃されて。

子供の様子を見て判断して母親に疑問をぶつけてくるのは当たり前の事ですが

デリケートな問題もズバズバ言って来たらしいんですよね。

色んな人が「こんなん言われた〜!(T△T)」と、愚痴をこぼしてきます。

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「A君のお母さん?A君の言葉遣いや仕草がすごく乱暴なのだけど、

 ひょっとしてお母さん虐待してるの?」

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「B君は2歳の頃から知ってるけど、全く成長できてないね!」

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「C君に対しての母性本能って無いの?授乳は何ヶ月してたの?え?4ヶ月?

 スキンシップが足りなさすぎるよ、だから保育士に抱っこをせがむんだわ!」

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「D君の事は大好きだけど、お母さんの事は嫌いよ、あたしは。」

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「E君みたいなタイプは小学校に上がったら学級崩壊起こす事間違いないよ。

 でも安心して?他にも同じような子が居るから。

 だけどこの保育所出身の子が学級崩壊を起こすかもしれないなんて…」

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・・・。なんて言うか、なぜそうやって上から物を見てお話をするのでしょう?

人それぞれ事情があります。


---A君のお母さんは旦那さんが要介護の状態でひどいストレスを溜め込んで

いらっしゃるようで、時々子供に八つ当たりしてしまう自分を毎日責めて…

それでも悪いトコを直そうと、頑張ろう、と前を向いてお父さんの分も子育てに四苦八苦して

毎日もがいているのをあたしは知ってます。


---B君は少し不器用で言葉に出来ない気持ちを態度で表わしてしまうし、泣き虫さんで

乱暴者に見えるけど、小さい子には優しくできるようになったし、話を聞く態度も

おとなしくなってきたじゃない。

どこを見て『全く成長していない』と言う言葉が出てくるのだろう?


---C君のお母さんは自分が受けた虐待をスパイラルしないように必死。C君のお兄ちゃんが

アトピー&喘息持ちの上、ひどい状態だった時にC君が生まれてお兄ちゃんは

ノイローゼみたいに赤ちゃん返りしてしまって、お母さんは持病の喘息が出て

薬を飲まなくては子育てできないし、ストレスもすごくて授乳を4ヶ月で断念したんだよ。


---D君のお母さんは自我が強いし言葉遣いも丁寧じゃないけど、子を大事に思う気持ちは

人一倍大きいんじゃないかって言うぐらいの人だよ。

懇談会で子供の事ではなく、母親が自分自身に言われた事に疑問を持って反論したら

あなたキライ、って言われてしまうのっておかしくない?


---E君が学級崩壊起こすってなんでわかるの?

自分の受け持ったクラスからそういう問題児が出ることが耐えられないの?

なんで決め付けるんだ?



疑問符だらけ。



中には「担任じゃ話にならない!こんな人に保育時間を任せれない!」と

市に反論しに行こうとする人が出る始末。


あぅぅ、そんな事しても根本的な解決にはならんやんけ〜(汗)



今年58歳になるとおっしゃる保育所の所長先生。

この先生は、あたしの末の妹が保育所でお世話になっていた時に

担任してくれてた事もあるらしく、すごい縁があるなぁ、って思ってました。

気さくで話しやすく、いつもちゃんとこちらの言い分を聞いてくださった後に

先生の意見をお話してくれます。

4月にあった花見にも参加してくださって、今回の担任の事も少しお話してたのです。

「あの子(担任の事)は他人の子育ての経験は長いけれど、哀しい事に

 自分の子を育てた事が無いのね。だから現実を毎日子育て頑張っている

 お母さん達の考え方がわからないところがあるかもしれない。

 理想と現実とのギャップを強引に引き合わせようとする所がある。

 でもね、そんなあの子もだいぶ成長してきたのよ。

 そこで大目に見てあげてほしい所が出てくるかもしれないの」

ってね。

あたしは自分は何も言われてないし、お節介かと悩みつつも…

このままではイヤだ、大目に見れる所じゃない!とハッキリ思ったので。

今回の事を所長先生に直談判したのです。


上の方で書いた事柄を話して、今のままでは保護者と担任の仲が悪くなるばかりだろうと

そういう事を話しました。


「あなたも周りから色んな話を聞いてしんどいわね、あたしに言ってくれてありがとう。

 いきなり教育委員会とかに申し出されても、あたしが事情をわからないままだと

 対処の仕方が難しいのよ。こちら側で出来る事はまだまだあるはずだけど

 市の上の者から言わてしまったら、その時は改善する努力の為の暇を貰えないから。

 どうもありがとうね」

と、言ってくださいました。



所長先生は問題の担任に対して

先生と保護者との関係や、上から見下したような言葉使いの事。

物事の考え方の違いを認めると言う事。

人にはそれぞれ事情がある事。

そして、「子育てほど理想どおりに行かない事は無いと言う事」について

おかしいと思うところをちゃんと話してくれるんだと言っていました。



そんな所長に今日久しぶりに会って、18日に海に行った時に、

幹事が選んで買ってきたお土産と卒園児達が所長に対してのメッセージを書いた色紙を

保護者代表で渡してきました。

個人的にその日の報告の手紙も付け加えてね。



「あなたはわかってくれると思うけど、保育士をしてると色んな事がある。

 だけども、こういう事があるから辞めれない。一番嬉しい。涙出るね。

 本当にありがとう…(T△T)

 ちゃんと飾るよ〜!皆に伝えて?すごく喜んでたってね!」


目を真っ赤に充血させて喜んでくれました。


良かった。

あたしも嬉しい。

先生、頑張って!


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