Underground


2003年11月22日(土)

「ふぅっ、硬いねぇ。もっと楽に行こうよ。
別に楽をすることが悪いことではないだろう?
頭をフルに使ってるわけだし、犠牲なんて大きな生へ小さい痛みさ。
これまで、数え切れぬほどの屍を踏み抜いてる君が
迷うこともないだろう?
・・・未来へのささげモノみたいなもんだ。」
「楽な方法か・・・・。確かにお前の言うことは正しいかもしれない。
ここで後続隊を待たないで見捨てれば我々は簡単に
脱出できる。だが、彼らはこれまで私の元で忠実に
戦ってきた大事な者たちだ。それを見捨ることが出来ると思うか?
おそらく上層部は私が任務さえ遂行すれば
あとの兵のことなどどうでも好いようだが
私は一人で帰ろうなどとは思わんさ。そんなところへ
かえってもまた同じ事を繰り返すだけだろう。」
「・・・・・・。」
「私は、ともに死のうなどとは思わない。
別に終わったわけではないさ。まだ、手はある・・・・・。」
「負傷兵だらけの隊で?自慢の魔法剣で
爆発でもさせる気かい?」
「黙れ。考えがまとまりかけてる。東に集めて・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・こちらは行動に出るが、お前はどうするのだ?
帰還するなら早く去れ。ここもいずれ戦場となるから
脱出難しくなる。これ以上フォローは出来ないぞ。」
「まだやる気かい?ほんと、あんた軍人だねぇ。
どこまでも生真面目で、融通が利かなくて
誰かさんみたいだ。
・・・・でも嫌いじゃないよ、きみのこと。」
「?なにが言いたい。」
「いい加減、上院のおっさんたちの相手も疲れてきたから
俺はきみにつくことにするよ。契約金はロハにしてあげる」
「・・・・・・お前は誰だ。上院の手のものではないのか?」
「それは、いずれ分かるよ。まぁ、敵じゃないし
適当に役に立つからしばらくおいてよ?
じゃ、取り遭えず、イズラル寺院跡にいこっか。」
「!?」
「早く行かないと日が暮れちゃうよー。」


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