ふうこの英国留学日記-その後

2002年05月23日(木) Assess the impact of non-Venetians on Venetian art

ヴェネツィアへの芸術におけるヴェネツィア人ではない人たちの強い影響を評価して述べなさい

たとえば、こんな質問に、4−5つくらいの事例をあげて一時間で書くというのが、私が6日後に受けるテストの形式。。。。
こういうのを二時間で二問・・・・。ああ、書けるのかしら?書けるようになるしかないね。

昨日あった友人Kは、午前中一番びびっていたテストが終わってすごくほっとしていた様子だった。なんだか、先生が乗り移ったかのように、解答を書きまくったよ。と言っていた。

うーん、私にもマギーが乗り移ってほしい。
昨日は、マギーに質問に行ったのだけれど、ヴェニスの宗教組織と政治の関係の裏話になって、「これは試験ではかかないでね・・・」と前置きされてから、建前上は政教分離を貫くヴェニスも、実際は宗教的な要職もほとんど、ヴェニスの12家の貴族が資金力にものをいわせて独占していたことを例をあげて話してくれた。。。
テストのネタとしては使えなくても、こういう話はおもしろい!

いつの時代も、公式に言われていることと実情はかけはなれている。
そして、アートや建築はその、ギャップを埋めるために、作られたイメージとして利用され続けてきたのだ。立派な議事堂建築はその場所の政体の権威や富を象徴し、宗教絵画を宮殿に飾ることで、その権力者たちがいかに敬虔な信者であったかを誇張する。
その中で、アートの中に見えかくれする、現実を見極めるのが面白いところ。

作品を注文し、そこに飾るまたは建てることの意味。
中世において、貴族や宗教組織といったパトロンによって注文され、制作された芸術作品には、そういった、動機、意味付け、必要性がある。
そして、その注文に対して、自分にできる限りの技術と芸術性を盛り込もうとする芸術家たち。そこには、自分が作品を作っているのだという、自己の創造力を表現している自負と、パトロンが求めているものを提供しなければならない、という葛藤が見える。

経済力とはまた違って、精神的な概念は、本当に、そこにたっぷりあるものに関しては、人はあえて、声をあげて人に見せびらかす必要もない。誇張しようとする部分ほど、そこには実際に足りなかった概念をあらわしているように思う。


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