今日は1人で映画を大学のアートセンターに観にいった。タイトルは "Once Upon A Time In The Midlands" Midlandsというのうのは私が住む、Warwickを含むイングランド内陸部の 地域を指す。日本でいえば、中部地方といった感じだろうか。 題からして地味な映画なのだが、ストーリーも地味だった。 しかし、私は想像以上に楽しめた。役者がなかなかすごいのだ。
まず、主演がトレイン・スポッティング、フル・モンティーのロバート・カーライル。そして、その彼の相手役が、ノッティング・ヒルの恋人で妹の恋人役をやっていたり、リトル・ニッキ−(わけわかんない悪魔映画、私はたまたまCATVで見たんだけどかなりでイカレてた、ああいうの、私は好きです。)で悪魔ブラザーズの極悪非道なお兄さん役をやっていたりするウェールズ出身の個性派俳優リス・エヴァンス。 私は、ローバート・カーライルの演じる、暴力をいかにもふるいそうなダメ男ってほんと苦手で、この映画観ていても、ムカムカしちゃったんだけど、リス・エヴァンズがあまりにも誠実で、強がっている姿が可愛らしいので、目が離せなかった。
筋は、ジミー(カーライル)というやさぐれ男が三年ぶに、別れた女シェリーと彼らの間の娘、そして彼の家族の住む町へ戻ってくるんだけど、彼女と娘は新しい彼氏・デック(エヴァンズ)と幸せに暮らしてる。彼が戻ってきて、彼らの生活や関係にひびが入って。。。
最後は、ハッピーエンドなんだけど、血のつながりと、家族の関係に関して考えさせられた。物語の途中、デックは家を出て行き、代わりに父親面をするジミーに馴染めない娘に向かってシェリーは言う、 「デックが恋しいのね? でも、あなたの父親はジミーなのよ」 そして最後にシェリーは、「私の家族なの。壊したくないのよ」。 果たして彼女がそう宣言する相手はジミーなのか、デックのなのかそれは見てのお楽しみ。。。
離婚や片親家庭が当たり前となったイギリスではいかにもリアリティのある設定の中で、真剣に自分のパートナーを、子供を、愛することを貫こうとして、傷つき迷い悩む人々の姿がいとおしく感じられる。
また、家族でビンゴゲームをしに行くところ、母子がキッチンで朝シリアルを食べるところなどイギリスの労働階級の日常生活の実体がリアルに伝わってくる映画です。家族関係が美化されていないところと、全編にユーモアにあふれているところが、なんともいえずよい作品でした。
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