この1年で一番変わったこと。 それは家族以外の前で涙を見せなくなったことかもしれない。
私はかつてよく泣く女だった。好きな男の前でよく泣いていた。 でも、今は一人の時にしか泣けなくなった。
心身ともに疲れきった私はクリスマスの夜も一人になりたくて家に帰る。 人といると気を使ってしまうので、ほっとしたくて一人になりたかったのに、一人になればなったで淋しさが募る。 夜道を一人荷物を抱えて歩いていると。。。涙が出てくる。 なんて心細いことだろう。 会いたい人に会えなくて、風は冷たくて、部屋は冷えていて、私の足先は凍えるようだった。
家族に何かあったとき、誰かの胸で泣きたいと思ってしまう。 何も言わないでただ肩を抱いて欲しいと思う。 強くなりたいと思っていた。でも今の私はただ強がることを覚えてしまっただけな気がする。 いや、強さというのは強がっているうちにそれが身についてしまうことを言うのかもしれない。
人前で泣かないというのは大人の女としてやはり必要な礼儀なのだろうか? そうだろう。 でも、まったく泣かない女というのもどうなのだろう。
誰かに泣いて甘えるということができなくなった今、ただ、この心細い落ち着かない気持ちを抱えたまま私の一人の夜は更けていく。
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