2004年01月15日(木) |
「ニシノユキヒコの恋と冒険」を読んで |
川上弘美の「ニシノユキヒコの恋と冒険」をお正月の間読んだ。 何度も読んだ。
ニシノユキヒコは昔好きになった人に良く似ていた。 スマートな振る舞いで女の子にモテるけど、人としていつもどこかぎこちない。そして、一番のポイントは一人の女の人をちゃんと愛し続けられない。 いつも女の人の影はあるのに、恋愛している感じにはならない。
私はあるとき彼がスマートに見えながら女性に対してとてもぎこちないことに、リラックスしていないことに気がついてしまった。私は彼に振られてしまった立場なのに、彼がかわいそうになってしまった。 そんなに緊張しないでともっと、のびのびしていいんだよ。言ってあげたくなった。
ニシノユキヒコが小説の中で言う。 「どうして僕は女の人をちゃんと愛せないんだろう」 ちゃんと人を愛するのは大変なこと。なかなかできないこと。 私だって、偉そうなこといえない。果たして「ちゃんと」男の人を愛したことがあっただろうか?
この寒空の下で、あたたかい手を必要としている人が、一人でも多くそれを得ることができるように祈っています。
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