ふうこの英国留学日記-その後

2004年01月23日(金) 生き急ぐ理由


この数年の私を知る人から、「なにか(人生)生き急いでいる感じがするよね」といわれたことがある。たしかに私の25歳から30歳の5年間は本当にめまぐるしいものだった。でも、充実していたと思うし、何よりも嬉しく思うのは自分の人生の中でやりたいと思っていたことがやれたということだと思う。
誰しもがそうだと思うが、やりたいと思うことがあっても実際の生活の中では、時間やお金、体力の関係で諦めることがほとんどだと思う。たった、一つでも自分が本当にやりたいなあと思い描いていたことをするチャンスがあるというのはとても幸せなことだ。

種をあかしてしまえば、私が行き急ぐのは25歳の時に一度病気で死にかけ、3週間も入院したせいだと思う。私は奇跡的に早いスピードで回復したが、病院中に見た私よりずっと症状の重い人たちの様子は私の心に重くのしかかり、自分は紙一重でそちら側の人間になるのだという危機感と、絶対そうはなりたくないという向上心を生み出した。
入院中私はまだ留学する予定もなかったのに一人でこつこつ英語の勉強を始めていた。自分で意識はしていなかったが、回復して、英語もできるようになって今いる場所から這い上がってみせようという気持ちがあったのかもしれない。

今週は同僚の一人が忌引きし、もう一人は高熱をだしたりしていつも4人で分担している仕事を3人でしなければならなかったので、なんとなく忙しかった。そして、今朝は朝5時半に起きて、今日のお昼締め切りの翻訳講座の課題の仕上げをし、7時前にようやく講師と学校にメールで送って、7時20分には家を出て職場に向かった。

普通の人ならできることかもしれないが、もともと疲れやすく虚弱体質の私には睡眠不足はつらく、こんなスケジュールをこなすにはすごい気力がいる。私はよく自分に問う、がんばったってそんなに変わらない。私が好きでやってるだけのことなんだから、無理してやる必要はないんだよ。と。
でも、25歳のとき、動くことも、食べることもままならなくなったときの自分が私の中にまだいて、自分のやりたいことがやれる状況にあるんだから、今の自分の中のベストを尽くさないと後悔するんじゃない?とささやく。

そして、私は5時半にベッドから抜け出して辞書を引き、パソコンに向かう。
あのとき、身動きもできなかった自分に比べれば、今の自分は本当に幸せだと思うから、今日自分ができることに対してベストを尽くしたいと思うから。

しかし実際、私の体は脆弱で無理を続けることはできない。それは自分が一番わかっている。私は何をするのにすべて体にお伺いをたてないといけない。どこまで自分の体に無理をさせるか、その判断が一番むずかしい。私は今この瞬間でさえ、自分が今どこまでがんばれるのかというラインを引くのに頭を絞り続けている。


 < 過去  INDEX  未来 >


ふうこ [MAIL]

My追加