女の世紀を旅する
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2004年05月22日(土) |
日朝首脳会談,拉致家族5人帰国 |
日朝首脳会談.拉致被害者家族5人帰国
2004/05/22
ニュース速報 asahi.com
●家族5人,今夕帰国で合意。曽我さん家族は帰国せず
小泉純一郎首相は22日午前、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問し、平壌市内の大同江(テ・ドンガン)迎賓館で金正日(キム・ジョンイル)総書記と約1時間半会談した。両首脳は02年9月に交わした日朝平壌宣言に基づき、拉致・核などの諸問題を包括的に解決し、国交正常化をめざすことを再確認した模様だ。首相は、最優先課題として拉致被害者5人の家族8人の帰国・来日を求め、関係筋は「前向きな展開があった」と語った。同行筋によると、首相か同行する山崎正昭官房副長官が8人と面会して直接、意思を確かめる見通し。首相はまた、北朝鮮側が「死亡」などと説明した安否不明者10人に関する情報公開を総書記に強く求めた模様だ。
会談の冒頭、両首脳は片手で握手した。金総書記は「小泉総理が再訪朝されたことはいいことと思うし、歓迎します。02年9月は拉致という問題が生じたが、総理が国交正常化に対する関心を払われ、その正常化を成功させる意思と抱負を持って改めて訪朝されたことを私たちはうれしく思います。お体はいかがですか」と述べ、拉致問題に言及した。小泉首相は「おかげさまで」と応じた。
\ 北朝鮮側は姜錫柱(カン・ソクジュ)第1外務次官が同席した。複数の関係筋によると、被害者家族は首脳会談が行われた大同江迎賓館に来ているという。両首脳の会談は02年9月以来、2度目。首相は政府専用機で午前6時48分に羽田空港を出発、同9時14分に平壌郊外の順安(スナン)空港に到着。空港では03年8月の第1回6者協議の北朝鮮首席代表を務めた金永日(キム・ヨンイル)外務次官らが出迎えた。会談は午前11時2分から始まり、午後0時35分終了した。首相は平壌で記者会見し、会談結果を発表する。
首相は出発に先立って羽田空港で記者団の質問に答え、「主眼は、現在の日本と北朝鮮の敵対関係を友好関係にしていくということ、対立関係を協力関係にする。その大きな契機にしたい」と語った。被害者家族の帰国・来日については「8人のご家族が日本に帰国できるように全力を尽くします。長い間、大変つらい思いをなさってきたご家族のことを思うと本当に悲痛な気持ちで待っておられると思います。そうしたご家族の気持ちを胸に首脳会談に臨みたい」と語った。
首相は核、拉致、ミサイル問題などの諸懸案を包括的に解決して国交正常化をめざす、とした平壌宣言の原点に立ち返るべきだとの考えを総書記に強調。拉致問題では、8人の帰国・来日とともに、北朝鮮が「死亡した」「入国の事実がない」としている10人の安否について具体的な情報提供を求める。核問題では核開発計画の完全な放棄を求め、6者協議のプロセスを通じて平和的に解決することを促した模様。
首相か山崎副長官が被害者家族8人と面会する方向となったのは、脱走米兵とされる曽我ひとみさんの夫チャールズ・ジェンキンスさん(64)が来日に難色を示していると伝えられることから、その意思を直接確かめ、来日を説得することが目的とみられる。
被害者家族の帰国・来日が決まった場合、首相が搭乗する政府専用機の予備機で22日中に連れ帰ることをめざし、準備をしている。実現すれば、02年10月に被害者5人が帰国して以来の再会となる。
拉致問題で具体的な進展があれば、両首脳は国交正常化交渉の再開で合意し、首相が食糧25万トンをはじめ人道支援の再開を伝える方針。また、北朝鮮が事態を悪化させない限り、改正外為法などに基づく経済制裁の発動も見合わせる意向を伝える見通しだ。
02年9月の前回会談では、金総書記が拉致問題を認め謝罪した。同年10月には国交正常化交渉を再開したが、被害者家族の帰国や安否不明10人の再調査を巡り双方の主張が対立。核問題でも、北朝鮮の高濃縮ウラン生産計画が表面化したことに端を発し、北朝鮮が核不拡散条約(NPT)脱退を表明して、国際的に緊張が高まった。
首相は、膠着(こうちゃく)状態に陥った日朝関係を打開するためには、自らが再度訪朝して総書記と首脳レベルの意見交換を行う必要があると判断、政府・与党内の慎重論を押し切って決断した。
(05/22 13:33)
小泉首相は22日午前、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪れ、平壌市内の大同江(テドンガン)迎賓館で金正日(キム・ジョンイル)総書記と会談した。両首脳は拉致被害者5人の家族8人のうち、曽我ひとみさんの夫で脱走米兵とされるチャールズ・ジェンキンスさん(64)と娘2人を除く5人の帰国で合意した。
5人は同日夜に政府専用機で首相とともに帰国し、1年7カ月ぶりの家族再会が実現する。ジェンキンスさんら3人の帰国・来日については近く北京など第三国で家族が再会することで合意した。両首脳は、北朝鮮側が「死亡」などと説明した安否不明者10人について再調査することでも合意した。 (05/22 16:07)
●「北京で会ったら」と総書記 来日見送りの曽我さん家族
帰国が決まったのは、蓮池薫さん・祐木子さんの長女(22)と長男(19)、地村保志さん、富貴恵さんの長女(22)と長男(20)と次男(16)の5人。曽我ひとみさんの夫ジェンキンスさん(64)と長女・美花さん(20)と次女ブリンダさん(18)親子については、引き続き協議することになった。
また、横田めぐみさんら、北朝鮮が「死亡」「入国の事実がない」などとしている10人については、北朝鮮側が再調査することになった。
小泉首相は金総書記との首脳会談で、被害者家族8人全員の帰国・来日を強く求めた。しかし、金総書記はジェンキンスさんらは難しいとして、「それほど言うなら、北京で会ったらどうか」と述べた。
政府によると、両首脳は日本側が食糧25万トンと1000万ドル相当の医薬品など人道支援を提供することで合意したという。
ジェンキンスさんは脱走兵として米軍に訴追される可能性があるため、本人が北朝鮮から出ることに難色を示していた。娘2人も父親とともに帰国を見合わせる意向だという。日本政府は米政府に対し、恩赦などの「人道的配慮」を求めてきたが、米政府が来日すれば逃亡罪などで引き渡しを求める姿勢を崩さなかったことが、来日の支障になったとみられる。
安否不明の10人についても、小泉首相は金総書記に日本側が納得できる形での安否確認を強く求めた。金総書記は「再調査しましょう」と応じたという。北朝鮮が02年に提出した「死亡確認書」やその他の説明には、死亡時期や死因などで不自然な点が多かった。
帰国する5人は、小泉首相が搭乗する政府専用機の予備機に乗って、22日午後9時ごろ羽田空港に到着する予定だ。出迎えのために上京している蓮池さんら拉致被害者との再会を果たす。首相も帰国後、ただちに蓮池さんらが待つ東京都内のホテルに向かい、5人に会って首脳会談の結果について直接説明する。
拉致被害者は02年10月15日に帰国して以来、北朝鮮に残した子供や夫ら8人と離ればなれの生活を強いられていた。北朝鮮側が日本政府の対応について「『5人は一時帰国で、北朝鮮に戻す』という約束を日本が破った」と反発し、再会のめどが立たなかった。
今回、事前の政府間交渉で、家族再会を「人道上の問題」と位置づけることで両国政府が一致。小泉首相が自ら平壌を訪問したことを受けて、北朝鮮側も家族を拉致被害者のもとに返すことに同意した。
(05/22 16:19)
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