女の世紀を旅する
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2008年01月07日(月) すぐそこにある危機:2008年に大恐慌が世界を襲う?


 《 すぐそこにある危機:2008年に大恐慌が世界を襲う? 》

                       2008年1月7日
                     


 2008年は内需が景気をリードできるかといえばかなり難しいだろう。少子高齢化で日本の社会が衰退に向かっているうえに、輸出依存型の日本経済に円高という危機もさしせまっている。しかも、日本の勝ち組企業もリストラは一巡し、いっそうの業績を伸ばすには、GDPが拡大するか海外景気がさらに伸長するかだが、海外景気にも陰りが生じてきているうえに,国内景気にも暗雲が垂れ込めている。インフレ下の不景気,すなわちスタッグフレーションが忍び寄っている。特に,地方経済の疲弊は深刻である。

2008年は世界大恐慌が世界を襲う,という大予測があるが,現実味が増してきている。世界経済の牽引役である米国景気に異変が生じており,サブプライム問題の金融危機の深刻さは想像以上のものがある。1929年の世界恐慌は株価暴落から発生した金融恐慌がひきがねとなったが,3年後の1932年に事態はいっそう深刻化して,失業者増大と社会不安をつのらせ,日本は満州に侵略し,ドイツではヒトラー政権が成立する背景となった。
世界恐慌はデフレ下で発生したということ,そしてそれはニューディール政策によって打開されたのではなく(1936年に再び景気悪化),戦争によって,太平洋戦争による軍需産業の勃興によって克服されたということに,着眼したい。皮肉にも世界大戦の軍需景気のおかげで大不況に終止符が打たれた。ニューディール政策で恐慌が収拾したのではないことに留意したい。

もしも,再び世界恐慌が発生するような事態が生じたらどうなるか。国際秩序に新たな危機が出現するのは必至となろう。

新年早々,ニューヨーク市場で株価の暴落とドル安円高のニュースが飛び込んできた。なにか今までの世界同時株安とは違う本格的な経済異変が始まったように思うのだが,どうだろうか。たしかなことは,2008年に世界経済は深刻な不景気に入っていくという重い現実であろう。つい半年前まで日本の景気回復は順調に進んでいると報道されていたのだが....。



◎ 2008年01月04日
大納会 大引け 14691.41 -616.37  出来高 14.2億株

 4日の東京市場は続落。連日の大幅安となった。業種別では、鉱業のみが上昇。その一方で、海運、ゴム、石油石炭、不動産、金属製品などが軟調に推移した。売買代金上位は、任天堂、トヨタ、ソニー、新日鉄、三菱UFJ、みずほなど。

東証1部売買代金 1.79兆円 値上がり銘柄数43、値下がり1662

 米国株安、円高進行を受けて、売り一色の展開となった。日経平均は寄り付き直後に心理的な節目である15000円を下回ると、その後は下値模索の展開を余儀なくされた。東証1部の値下がり銘柄数は1662(全体の96.2%)に達し、鉱業を除く32業種が下落する文字通りの全面安。とりわけ、国際優良株や資源関連などで急落が相次ぎ、投資家心理を冷やした。日経平均は引けにかけて若干下げ渋ったが、昨年来で2番目の下げ幅(サブプライム問題で急落した8月17日:874円安に次ぐ)を記録した。

大発会は昨年まで6年連続上昇するなど、ご祝儀相場の色彩が強かったが、外部環境の悪化でお祭りムードは吹き飛んだ。年明けの欧米株式相場が急落し、為替相場は対ドルで108円台まで上昇、NY原油は史上初の100ドル台に乗せた。さらに、米クリスマス商戦が低調に終わったほか、12月米製造業景況指数が予想以上に悪化したことで、景気後退観測が強まったことも追い打ちをかけた。これを受けて、休場明けの東京市場には売りが殺到。日経平均は4%超の下落で、終値ベースで11月21日に付けた昨年来安値(14837円)を更新し、ザラ場安値(14669円)をも下回った。
大発会に下落したのは2001年以来、7年ぶりとなるが、その2001年はITバブル崩壊の後遺症が残り、日経平均は年間で23.5%下落した経緯がある。今回は大発会最大の下げ幅を記録し、昨年来安値を更新するなど、完全に出鼻をくじかれた格好となり厳しい船出になったと言えよう。


◎ 2008年01月07日
 日経平均株価は190円安の1万4500円と大幅続落
 大引けの日経平均株価は190円86銭安の1万4500円55銭と大幅4日続落。TOPIXは19.20ポイント下落した。日経ジャスダック平均株価は19円32銭安と続落した。
 
 値上がり業種は保険、空運の2業種。
 値下がり業種は海運、不動産、その他製品、非鉄金属、ガラス土石製品など31業種。
 東証1部市場値上がり442銘柄、値下がり1187銘柄、変わらず97銘柄。





 ★2008年は世界大恐慌元年か  
                       2008年1月2日


●アメリカ不動産市場

1.不動産価格は下落を続ける。

 2006年半ばから下落を開始しているが、過去の下落のパターンを考慮すると、下落が落ち着くのは楽観的に見ても、2009年以降であろう。

 これまでの不動産価格の下落(Case-Shiller指数ベースでピークから5%減)で、約1兆ドル(約110兆円)の資産が失われているが、今後数年で簡単に数倍に拡大する可能性があり、日本式の長期的な不況に陥る事が懸念されている。サブプライム問題どころではない。


2.ホームエクイティの引き出しは減少を続ける。

 2007年3Qでも、可処分所得の5.2%もの規模を持つホームエクイティの引き出しは減少を続けるため、消費(≒GDPの70%)に数%レベルで影響を与える。



3.信用収縮は続く

 既に2002年のレセッションレベルまで貸し出し基準は厳しくなっているが、今後金融機関の損失が更に拡大し、貸し渋りが増加する懸念がある。利益の低下と、貸し出し基準の厳格化で、企業の設備投資意欲は減退しており、輸送機器を除いた耐久財の受注は下落を続けている。




● 世界経済予想

1.米経済はレセッション(景気後退)に突入

 ホームエクイティの影響以外に、雇用状況の悪化、耐久財受注の下落(=設備投資の下落)、消費者信頼指数の下落、企業向け不動産市場の下落、企業利益の下落等、深刻なレセッションに入るサインに満ち満ちた状況となっている。グリーンスパン氏の様な要人がレセッションの可能性が50%あるというまでの事態になっているので、この予想自体は、今では特に真新しいものではないだろう。

 当初はマイルドなものに留まり、また政策当局者の場あたり的な対策が時々発表されて、2009年には立ち直ると言うストーリーが当面は残ると思うが、事態が改善するどころか時間が経つごとに深刻さを増す中で、やがて楽観論が消えてゆくであろう。


2.世界のその他の地域の成長が減速

 議論のポイントはここにうつっていると思うが、デカップル論がなりたっていたのは、米経済の個人消費が堅調であったからであろう。来年になり個人消費が打撃を受けた時点で、中国を始めとした他地域経済の米国向け輸出が減少し、徐々にではあるが、経済を減速させよう(レセッションにまで至るには次のステップが必要)。

 ただし、米GDPが1%落ちると、GDPが0.7%落ちるといわれる日本経済は、つられてレセッションに陥る可能性が高いだろう。


3.経済成長の減速により、ファンダメンタルズと高騰を続けた資産価格のギャップ が拡大し、中国を始めとした新興国の資産バブルが崩壊

 その結果、ファンダメンタルズが弱まり、ただでさえ割高感が非常に高まっている中国を始めとした新興国の資産価値への信頼が揺らぎ、バブル崩壊が起こるだろう。時期として、2008年中か、場合によると2009年までずれ込むことはありうるだろう。


4.2009年以降、レセッションが世界のその他の地域に拡大

 米国の不動産恐慌の継続、世界的な資産バブルの崩壊のダブルパンチにより、世界の他の地域にもレセッションが波及していく。欧州、アジア等世界中で米国に負けず劣らない不動産バブルが生じてしまった現状を考えると、世界経済はそのまま世界大恐慌的な状況に突入していく可能性があろう。その場合、底を打つのは2009年か2010年以降か。

上記シナリオは、世界の政策当局者が、日本が陥った様な不動産市場の崩壊がもたらす構造不況について深い理解をもち、一致した徹底した対策をスピード感を持って行うこと(早期の公的資金投入、詐欺的行為に対する広範な刑事告発等)によって、軽減されうるものだと信じているが、今までのところ、政策当局者にも、肝心の世界の一般市民の間にも、そこまでの危機感は感じられない。その間に、時限爆弾は、時間切れを告げようとしている。



※米主要500社、2四半期連続減益へ・サブプライム響く

 【ニューヨーク=山下茂行】米主要企業の業績が5年半ぶりに2・四半期連続で減益となる見通しが強まった。主要500社の2007年10―12月の純利益は、12月28日時点の集計で前年同期比9.4%の減少。



● 週刊エコノミスト1/1・8号「世界恐慌」から

                     2008年1月4日

最近世界恐慌の文字を見る機会が増えているが、週刊エコノミスト1/1・8合併号「2008 サブプライムがとどめ、米国没落で始まる世界恐慌」から、私にとって発見のあった事実をいくつか紹介したい。いずれも、今後、事態が日本のバブル崩壊後の様に、銀行の貸し渋りに発展していく可能性と、デカップル論の限界に関するものである。

・p.18 

米国の貿易赤字1996年1702億ドル→2006年8173億ドル

内、対中赤字 1996年395億ドル(全体の23%)→2006年2,325億ドル(全体の28%)

(インフレを年3%としても、10年で3〜4割増の留まるはず)

とデカップルどころは、中国とアメリカの経済関係はかつて無いほど深い。

(ちなみに日本は1996年475億ドル、28%→2006年885億ドル、11%)

・p.21

今の欧米は、金融恐慌入り口の日本の97年と似てきた。

・p.23

バンク・キャピタル・クランチ(銀行の資本劣化による貸し渋り)が総需要を抑制するリスクが高まっている。・・・・欧米の大手銀行が新興国向け融資を増やしていた・・・短期で急に融資を回収する「貸し剥がし」が起これば、1997年のアジア通貨危機のような事態の再来にもなりかねない。

・p.34

3兆ドル(330兆円)の債務担保証券(CDO)の最大の保有者はヘッジファンドで47%の1.4兆ドル。欧米大手金融機関10社のヘッジファンド向け融資は3兆ドルにのぼるが、これら10社の自己資本のTier1総額は約4300億ドルに過ぎない。

ヘッジファンドによる損失処理に耐えるためには、銀行は増資か資産圧縮(新規融資ストップ、既存融資回収)が必要。




● 想定通り米雇用環境悪化。12月+1.8万で失業率5.0%

                     2008年1月5日

週間失業保険申請数の伸びから想定された通り、12月の非農業部門の雇用者数は、1.8万人増(政府部門を除く民間は1.3万人減!)に減速し、失業率も5.0%に大幅上昇(※1)。当然ながら、ニューヨーク株式市場は大幅下落で始まった。

※2で、Roubini教授が強調する様に、頑固な楽観派の最後の2つの砦、雇用と個人消費のうち、雇用の安定性は風前の灯となった。失業者数はレセッション前は余りあがらずレセッション突入後高止まりする,どちらかというと遅行指数であり、レセッションにならない根拠としては余り役に立たないものであろう。Roubini教授は、金融危機とあいまって、マイナス成長が4四半期以上続き、1990-91年や2001年のマイルドなレセッションよりも厳しいレセッションを予想している。


※1 12月の米雇用、1万8000人増に減速・失業率5.0%に上昇



● 【ワシントン=小竹洋之】米労働省が1月4日発表した昨年12月の雇用統計(季節調整済み)によると、非農業部門の雇用者数は前月に比べて1万8000人増えた。増加幅は雇用回復の目安といわれる10万―15万人を大幅に下回り、2003年9月以降の雇用拡大局面では最も低い伸びとなった。失業率(軍人を除く)は5.0%。前月より0.3%上昇し、2年1カ月ぶりの高水準を記録した。

 昨年12月の雇用者数は52カ月連続で増加したが、増加幅は市場平均予測の7万人を大きく割り込んだ。昨年10月の増加幅は17万人から15万9000人に下方修正、昨年11月の増加幅は9万4000人から11万5000人に上方修正された。

 失業率の上昇は3カ月ぶり。市場平均予測の4.8%を上回った。


カルメンチャキ |MAIL

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