「千と千尋の神隠し」を観に行って来た。 娘は3歳になる前にトトロと出逢い、初めて書いた字が トトロの「ト」だった。 誇らしげに「ママ、トトロの『ト』」と言って見せてくれた初めての字。 3歳になる前の、大切な想い出。 まだ大切にとってある。 だから今回のジブリ映画も、楽しみにしていた。
とても心に染みる、いい映画だった。 千尋が電車で旅をするシーンには涙が溢れた。 冥界は、あんな場所なのではないだろうか…。 影法師のように透き通った人たち 亡くなった母も、あんなふうに旅を続けているのではないだろうか…。 そう思うと涙が止まらなかった。
エンディングの風景が郷愁を誘う。 わたしを可愛がってくれた、亡くなった祖母の家を思い出した。 ガラスの引き戸… ぼんやり灯る電灯… 幼い頃の「わたし」の想い出。 胸が熱くなる。
宮崎監督の手がけたアニメは、ずっと以前からあって、 幼い頃からわたしも育てられて来ていたのだった。 本当に引退されるのだろうか…。 心に優しく染み渡る作品に出逢えなくなると思うと、 残念でならない。
郷愁を誘う風景を知らない現代っこたちの心には、 この映画は、どう染みたのだろう。
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