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「槞梛俚庵(るなりあむ)


時折綴

2001年08月26日(日) 神隠しの郷愁

「千と千尋の神隠し」を観に行って来た。
娘は3歳になる前にトトロと出逢い、初めて書いた字が
トトロの「ト」だった。
誇らしげに「ママ、トトロの『ト』」と言って見せてくれた初めての字。
3歳になる前の、大切な想い出。
まだ大切にとってある。
だから今回のジブリ映画も、楽しみにしていた。

とても心に染みる、いい映画だった。
千尋が電車で旅をするシーンには涙が溢れた。
冥界は、あんな場所なのではないだろうか…。
影法師のように透き通った人たち
亡くなった母も、あんなふうに旅を続けているのではないだろうか…。
そう思うと涙が止まらなかった。

エンディングの風景が郷愁を誘う。
わたしを可愛がってくれた、亡くなった祖母の家を思い出した。
ガラスの引き戸…
ぼんやり灯る電灯…
幼い頃の「わたし」の想い出。
胸が熱くなる。

宮崎監督の手がけたアニメは、ずっと以前からあって、
幼い頃からわたしも育てられて来ていたのだった。
本当に引退されるのだろうか…。
心に優しく染み渡る作品に出逢えなくなると思うと、
残念でならない。

郷愁を誘う風景を知らない現代っこたちの心には、
この映画は、どう染みたのだろう。


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冰月まひな [MAIL] [HOMEPAGE]