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「槞梛俚庵(るなりあむ)


時折綴

2003年06月01日(日) 室内楽部の一番長い日 -その1-

我が家の高校1年生の姫さまは、バイオリンを習って8年になるの。

オーケストラ部のある高校に進学したくて、あちこち調べて回ったのだけど
そういう高校って通学に片道2時間もかかっちゃう所ばかり。
ラッシュの寿司詰め電車では、バイオリンを抱えて乗ることはできないし…。

がっかりして諦めかけていたとき、姫さまは運命的な出逢いをしてしまった。

たまたま模擬試験を受けに行った会場が、家から自転車でも行かれる
私立高校で、「部員募集」と書かれたポスターを何気なく見たら、
なんと!「室内楽部」と書かれてる!
この高校には室内楽があるんだぁっ! と知った姫さま
いきなり電話してきて「わたし、決めた!この高校以外は受けないから」と
言い出して。

制服もとても素敵 うん ◎
共学校 うんうん ◎
私立高校かぁ ちょっとしんどいけど ○
家からも遠くなくて下り方面 そりゃいいね◎
それに何よりヴァイオリンを担いで通える! なるほど◎
で――― 合格偏差値は?

―――――― (;一_一)ん?

あの 姫さま、レベルがとても高いようでございますが―――。

――――――。

あの受験生の1年間、わたしも随分心配したけれど、
今はそれも良い経験になって、姫さまはその運命の出逢いをした高校に
通うのが毎日とても楽しい様子。
気の合う友達もできて、おまけに好きな男の子もできて、
青春を謳歌していたのだけれど…。

室内楽部に入ってみたら―――
顧問の先生は音楽の先生じゃなくて、なんだかとても偏屈なおじいさま。

「偏屈じじぃがね」
「こらこら!」

いつもこんな会話から、部活の話が始まるの。

部員もいるらしいのだけれど、何人くらい先輩がいるのかも
どんな練習をしているのかも、週に何回活動しているのかも
まったくわからない上に、1年生を先輩に「新入部員です」って、
お披露目もされないんだって。

姫さまはもぅ がっかり。

それでも1年生はバイオリンの経験者が4人も入部して、
これで室内楽部は安泰だって
喜ばれたというから、それだけでも良かったじゃない? と
言っているのだけど。

初心者の1年生は、姫さまみたいな経験者が教えてあげないと
先輩たちは昨年バイオリンを初めて持ったばかりの人たちだから
教え方がわからないみたい。
それに部活の日は個人練習ばかりで、先輩たちは来ても集まって
合奏するでもなくて、覇気がないから、また姫さまはがっかりして。

それで6月7日に定期演奏会があるというから、
わたしはもぅ驚いてしまって。
わたしは中学で吹奏楽の魅力を知って、高校も吹奏楽部の有名校に行ったのね。
そしたら日曜も部活で、お休みといったら盆暮れ3日間だけ(T_T)
それはもぅつらくて つらくて、毎日泣いてました。
先輩もイジワルでね〜… (遠い目)

それに比べたら、先輩は優しいし、誰が部長だかわからなくても
すごく上手な3年生の先輩が誰かわからなくても
先生が偏屈じいさんでも―――
いいじゃないの。
バイオリンを習っている1年生が、盛り立ててあげなさいよ って、
元気付けているの。

だけど―――

う〜〜ん…

ホントに演奏会できるのかな?
なんだか心配になってきた―――。


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冰月まひな [MAIL] [HOMEPAGE]