雪が降る前は、まるで音が吸い込まれるかのように、周囲が静まり返るとよく謂われる。
この夜もそうだった。 家の前の道路を走る車の音が、きーんと冷えた大気を震わせて、遠くまで響き渡るのに 分厚い綿にくるまれるように、地中へ籠っていた。
予報通り、未明から雪が降り出した。
東京には珍しく、細かくてサラサラな雪。 踏み締めると、きゅっきゅっと鳴る。 それが楽しくて、雪の中を散歩する。
わたしは雪がとても好き。 豪雪地に住む人には申し訳ないけれど、東京では雪が降るのが楽しみになるほど それだけ雪が降らない。
すすけた町が、白と黒と灰色の世界に変わる。 空と街の境界線が消えて、溶け合う。 それがホントにキレイ。
雪が降っている時は、とても暖かい。 音が消える。 静まり返る中で、耳をすますと、雪の降る音が聞こえる。 音の無い音。
あぁ ホントに雪がスキ。
今日はセンター試験の日。 何故 毎年この日を選んで、雪が降るのだろう。
わずか10cmだけしか積もらなかったけれど、それでも東京には大雪。 幸い大した遅れもなく、chimomoの友人たちも無事に試験会場に着けた様子。
chimomoの目指す大学の学部は、センター試験を併用していないので今日はのんびり。 二人でなんとか入試を乗り切れるようにと願いをこめながら、雪うさぎと小さな雪だるまを作った。
明日には融けちゃうかな…。
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