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朝銀行へ行った。
銀行の前では 交通安全運動のキャンペーンが繰り広げられていた。 地元のお父さん、お母さん達が仮装大会のようないでたちで旗をふったり手をふったりしていた。
その中に 茶色の全身タイツのようなものを着用し、 更にハラ部分には臨月の妊婦さんのような詰め物を入れた奥さんがいた。 どうやらたぬきを演じているらしい。メイクもたぬきという凝りよう。
たぬきは私に向かって手をふってくれた。 でも私はどうしていいのかわからず黙って銀行へ入った。
用を済ませ銀行を出ると ちょうどキャンペーンも終了したらしく、仮装行列はどこかへ戻って行くようだ。 戻って行く途中のたぬきは冗談ぬきでマジで怒っていた。大声をあげていた。
ひょっとこに仮装した奥さんに向かってたぬきは「あき竹城」そっくりな声で怒鳴り散らしていた。
何やってんの!!こっち!!こっち!!こっちだってばー!!!
ハラの詰め物が重いらしく、両手でハラの下部分をぐわっ!!っと持ち上げながら 「こっちだってばー!!」と怒っていた。
私が銀行に入っていた数分間に、 一体何があったのだろ…。
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