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2003年12月22日(月) |
こだまする「お母さん」 |
夜中に妹から電話が入った。 妹は苦しんでいた。下痢と吐き気が止まらないとのこと。 自分の部屋にいるのだが、両親の寝室まで移動できないほどに苦しくどうしたらいいのか…ということだった。 両親の寝室に行って具合が悪いということも伝えられないほどの苦しみらしい。
私の実家は父も母も運転をしない。 救急車を呼ぶのはちょっと大げさかも…ということで私は服に着替え実家へ向かった。
実家に到着すると父が家の外に立っていた。
「ふつ、悪いな。頼むぞ。」
少しするとふらふらと妹が出てきた。 同じ区内にある救急病院へ向かった。
運悪く救急車が入ったため急患は待たされることになった。 妹のほかにも数人の急患がうんうん唸りながらのた打ち回っていた。 1時間ほど待たされやっと先生がやってきた。 血液検査とレントゲン撮影をしなければならないとのこと。 妹は歩くこともできない状態で、車椅子でレントゲン室へ。
妹はレントゲンの前に立つこともできなかった。 技師の方が私に言った。
「ちょっと、すいません。 転ぶと大変なのでこの人を押さえてもらえますか…、 お母さん。」
お、お母さん? 私はこんにゃくのようにクネクネしている妹を抱えながら、心の中で何度も「お母さん?」がこだましていた。
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