あの人を見た似てるだけ?ほんとは違うか長い髪や黒目がちな瞳はわたしの記憶に息を吹き込む胸のあたりがうずく目を背けられずにいるわたしの近くをあの人は歩み過ぎるゆっくりと歌いながらその声は高らかで芳しいそれを捕えて口に含みたかったけれども悲しくもわたしは果実が嫌いだったしあの人はいつの間にか消えていた仕方なしに手近なものを捜してはいつの間に独りぼっちで眠りに堕ちた夢であればいいのにわたしの胸は未だにうずく