2005年04月26日(火)
喫茶店にて
全て過去のことだから とやかく言っても仕方ないよ 必要なのは前を これから先を 良くするために じっくり考えることだよ
と
あなたは珈琲を視線でかきまぜながら言う
私の顔は見ずに 私の話を聞いて すぐに 一方的に 単調に 用意されたような 思い遣りのない 低い声で あなたの唇は動く
隣に座った浮浪者がこちらに二度目配せをした どういう意味か分からない
暫く続く沈黙
あなたは
煙草がないから
と
言って店を出た
同じ銘柄を吸っている私を置いて
浮浪者は店員に追い出される
私は煙草を解して 男の珈琲に入れるので精一杯だった
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