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■ パルボ・・・入院1日目
今日は朝一に病院へ行こうね。
やっぱり、朝ご飯を食べない・・・ママの側から離れない・・・あきらかに体調が悪いようだ。
先生に診てもらえば、すぐに良くなるからもうちょっと待っててね。
診察時間は9時から。だんな様と一緒に支度をする。
突然「ゲーホッ、ゲーホッ、ゲーホッ」と、すごい音がどこからかしている・・・音の方を見ると・・・
さくらの腹部が波うっている!何が起こっているの!!ワケが分からずそのまま見ていたら、「ゲボッ」と何か黄色いモノを吐いた。ビックリして動揺して体が震えている私にだんな様は、病院へ連れて行きなさい。何か分かったら携帯に連絡してね。と落ち着かせながら出勤する。
こんなに悪かっただなんて、もっと早く連れて行けばよかった・・・本当にごめんね、さくら。
もう一度、同じように吐く。ティッシュで受け止めこれも病院へ持って行くことにする。
今日は、車に乗ってもいつものように鳴かない・・・たまに「ク〜ンゥ」と、か細い声で・・・
今度はキャリーバッグの中で落ち着きが無くなる・・・下痢をする・・・初めてだ・・・
さくらは嫌なのだろう。つかないように隅に座る。シーツを替えるより今は、少しでも早く病院へ行く事に集中する。道はすいてるのに信号待ちはいやに長く感じる・・・
病院へ着くとまたもすでにいっぱいだ。待っている間に新しいシーツを上から敷く。
待合室で他の人と話をしてみるが「大丈夫だよ」と言ってくれる。少しホッとするが、さくらが元気になるまでは安心できない。
名前が呼ばれ診察台へ・・・何から言っていいのかわからないが、
最近元気が無かったコト。ご飯も食べなくなったコト。今朝吐いたコト。来る途中で下痢をしたコト。
以上の事を伝えると、先生は事細かに聞いてくれる。
いつから元気が無いのか?どんなご飯で、いつもは何時に何回か?どんな風に吐いたか?今までに同じことはあったか?など質問しながらも、さくらを触診していく・・・されるがままでシッポも振らない。
よほど悪いのだろうか?検温すると熱も少しあるみたい。だんだん不安になっていく・・・
さらに、くしゃみ・せき・鼻水は?外に出したか?周りに同じ症状のワンちゃんはいますか?など違う質問をしてくる・・・先生も嫌な予感がしたのだろう。
「もしかして、感染症になっているかもしれません。数分で結果が分かる検査ができますが、3千円の料金がかかります。どうしますか?」もちろん、即答。して下さい。お金はいくらかかってもいいです!
すぐ、下痢したモノを検査シートにのせる。
結果が分かるまで待つことに・・・
さくらの不安そうな顔・・・また、吐く・・・大丈夫よ。先生がきっと治してくれるから・・・
「先生!OO先ー生!」ってあなたも先生でしょ。と、ツッコミしたかったがその瞬間・・・悟りました。
きっと、さくらの病気は悪いものだと・・・他の先生達と確認して急いで戻ってくる。
「実は、検査の結果[犬パルボウイルス]に感染していることが判りました。」と言って検査シートを見せてもらう。
説明をしてくれるが頭の中に入ってこない・・・
「伝染病なのでこのままお預かりになります」やさしい顔なのに、今何かさらッと聞きなれない事を言ったわね。
「あのー、お預かりって・・・?」
「入院のことです」????入院・・・思ってもいなかったので頭の中は真っ白・・・それを察したのか先生が、
「伝染病なので他のワンちゃん達にうつるといけないから、隔離です」さらに・・・
「この病気に感染すると奇跡でも起こらないと治らない可能性があります」
えっ!奇跡?ミラクル?ミラクルですねぇ〜。って、それは長Oさん。パニクってる私の思考回路は支離滅裂・・・
「今からすぐに、点滴・抗生剤・インターフェロンなどの治療をしていきます。そして、血球数測定もしていきます」???
「あのー、私はどうしたらいいのでしょうか?・・・」
「そうですね、入院になりますので今日は診察券をお返しいたします。このままお帰りいただいていいですよ」
って、そうじゃなくて、まぁそれもそうなんだけど・・・
「今後どうしたらいいですか?」だって、急に入院だと言われてもずーっとさくらと一緒だったのに・・・
「ええ、面会に来てもいいですよ」そう、それが知りたかったのよ。
「ただし、伝染病が他のワンちゃんにうつるといけないので、診察の前か後に来て下さい」そうね、そうします。
「もしかしてこれが最後になるかもしれませんので、毎日面会に来てもいいですよ」へぇ!また何かさらッと言った?
「何かありましたら連絡します」何かって何?・・・
「どちらかといえば、さくらちゃんの為に会いに来てくださいね」・・・思考回路・・・停止・・・
携帯の番号を教えて病院をあとにする・・・
車に乗り・・・これからどうしよう・・・?・・・
まず、本屋に行って病気が載っているのを探そう・・・
店に着いてから携帯が鳴る・・・もしかして・・・だんな様だった・・・
連絡が無いから心配していた。ちょと怒ってる・・・説明をしようとするがだんだん泣けてくる・・・
今まで張り詰めていたのだろう・・・涙が止まらない・・・言葉が出てこない・・・だんな様はそんな私に
一番辛いのはさくらなんだから、小さい体で頑張っているのだから泣いたらダメだよ。祈る事しか出来ないけど、帰って来るのを一緒に待っていよう・・・
うん、そうだね。今は祈る事しか出来ないけど、絶対家に帰れるように・・・
本屋には詳しく載っているものが無く、家に帰ってインターネットで調べることにする。
調べれば調べる程、絶望感に襲われる・・・
もう会えなくなるの・・・?これから楽しい事がいっぱいあると思っていたのに・・・まだ、お出掛けもしてないよ・・・色んな所へ行こうとしても行けなくなるの?
もっと早く気づいていれば・・・注意深く見ていたら・・・悔やんでも悔やみきれない・・・
ゲージがあるのにさくらがいない・・・帰ってから遊ぶはずだったボールは、朝遊んでたまま転がっている・・・こんなに家って広かった?・・・なんだか部屋が暗い・・・
さくらが大事な部分を占めていたのだと改めて思い知らされる・・・・・・
だんな様が帰宅する。今日は、休日出勤だったから早目に切り上げたみたい。
考えないようにしても涙がまた溢れてくる・・・止め処も無く・・・そして、どうし様もない程の孤独感が心の中に広がっていく・・・でも、だんな様が、
こうしている間でもさくらは頑張ってウイルスと戦っているんだよ。帰ってくるのを一緒に信じて待っていよう・・・
世界中が諦めても最後まで希望を捨てずにいよう。そして、すぐに帰ってきてもいいように準備をして待ってよう・・・
どうしたらいいか分からず、ペットショップへ聞きに行く事にする・・・しかし、車から降りる事が出来ない・・・
仕方なしに、だんな様だけ聞きに行く。店長さんに色々と聞いてもらったが退院するのが決まってから用意しても大丈夫だよ。とアドバイスしてもらう。
帰宅してからもインターネットで色々調べてみる・・・どれを見てもいい事は書いてない・・・
食事もノドを通らない・・・さくらは今ごろどうしているのか?・・・夜・・・涙がまた・・・
長い一日が終わり・・・先が見えない日々が始まろうとしている・・・
2002年10月16日(水)
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