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■ 入院2日目
夜・・・なかなか寝付けない。
今さくらは寝ているだろうか?また吐いてないだろうか?もしかして、電話がかかってくるのではないだろうか?涙が止まらない。
色々な不安ばかりが頭の中から離れない・・・でも・・・いつのまにか寝てしまった・・・朝・・・いつものように起きてしまう。
時計を見ると目覚ましは鳴ってないが、いつもさくらが起こしてくれる時間。
もう、習慣になっていたのだ。
目が腫れているのが自分で分かる。
今日は仕事に行く気がしないが、そんな事は言ってられないので支度をする。
いつもならば慌しく支度をするが、余裕がある。
少しでも時間があると涙が出てくる。このままでは、化粧すら出来ない。だんな様にそんなんじゃさくらに笑われるぞ。と言われる。
そうだ、さくらは今も一人で頑張っているのだ。メソメソなんかしていられない。
まだ時間ある・・・。そうだ、母が事故後にお札をもらってくれたのがあった。(通称、石切りさんと呼ばれている)小さいお守りもある。
お散歩デビューする時用に買っておいた首輪にお守りをつけ、カバンの中に入れる。
お札に願い事をする。正式名称は言いにくいが、ちゃんと言わなければ「・・・・・・・」
「どうか、さくらについているウィルスを切り離してください。」
この際、何でもおすがりする事にしよう。「お父さん、まださくらを迎えに来ないでね」
仕事がはかどらない。
昼は一人で休憩。また、色々と考えてしまう。
残業をするわけにはいかないので何とか集中する。でも、気になる・・・
帰宅するが、さくらがいないゲージをついつい見てしまう。
先生は毎日来てもいいと言うが、同じ時間にした方がいいと思うから診療時間が終了する頃行く事にしよう。
これからいつまでこの道を通う事になるのだろうか・・・?わからないのが辛い。
病院に着くとあと10分で終了というのに、この車の台数は?
一応、面会に来た事を伝えるが時間がいつになるか分からないがいいですか?と聞かれる。
勿論、待ちます。後で呼びに行きますから車の中でお待ちくださいと。
それにしても・・・まだ来るよ。っていうか、減らない・・・
診療時間10分経過。3人待っている。
20分経過。診察はまだしているが奥の部屋でやっと面会できる!
電話がかかってきたりして、スタッフはまだ忙しいみたい。
昨日の先生は休みなので、違う先生に今日の状態を教えてもらう。
ゲージに機械がついている。その中に不安そうな顔でさくらがいる。右前足に点滴の管が・・・痛々しい姿。
ジーっと座ったままでこちらを見ている。開けても出てこない。
昨日入院した直後・夕方・夜2回・朝・昼と夕に、血便や嘔吐をしたと聞く。
その時についたのだろう、しっぽや体が汚れている。鼻につく臭いもする。今は、シャンプーできない。退院してからしてあげるね。
先生は、この病気は今流行っているから気をつけないといけないと言う。(そう言うが周りでは聞いたことが無い)
発病すると治る可能性はまずないと思ってください。
さくらちゃんの場合、目が落ち込んでいないのと一回ワクチンを打っているのに、生きる望みを賭けましょう。
胸に痛い言葉ばかり。でも、これは現実、逃げられない。
安易な言葉よりも今さくらにとってベストな治療をしてもらえることが大事。
風・人・靴の裏などについてくる目に見えないウィルスにやり切れない思いもあるが・・・
こんなに世の中で科学が発達しているのに、まだ有効な薬は無いという。防ぐにはワクチンがいい。
もし、薬を作った人がいるのであれば、ノーベル賞に推薦間違いなしだと思う。お願い、誰か早く作って!
明日も必ず来るからね。待っててね。パパもママもさくらが退院するの待ってるからね。
車の中でだんな様に報告する。
我慢していた涙が出てくる・・・
帰る途中、さくらが体調悪くなる時の事をよく考えてみる。私が泣いている時間帯ではないだろうか・・・?
それじゃぁ、泣かなければ良くなる・・・?単純かもしれないが、もう今日からは泣かない。
だんな様にも言ってみる。今度泣く時は、さくらが退院した時に・・・涙はとっておこう、と約束する。
帰宅してから、あのさくらの衰弱した体が頭から離れない・・・
食べていないからみるみると痩せていったのだろう。点滴でかろうじて生命をつないでいるようだった。
そういえば、点滴のハリが抜けないようにピンクの包帯でグルグル巻きにされていた。
とても痛そうにしていたなぁ。
足を着くのもやっとという感じで、気になるようでもあったが今は嫌がる元気も無いみたい。
だんな様が、明日は一緒に面会に行こうと約束してくれた。夜に少し時間の都合をつけてくれる。
よかったね、さくら。明日はパパが会いに行くよ。
2002年10月17日(木)
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