-殻-
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新幹線の窓から、見慣れた山の稜線。
いつもと違うのは、その背に見える空の色。 山際に澱のように滞った茜が、 蒼い空の中に溶けていくような。 失われていくことが約束された色。 うまく言えないけれど、目が離せない。 目を逸らしてはいけないような気がした。 網膜が焼き切れそうに感じても、 この茜を放つ塊を視界から外すことができない。 やがてそれは、その姿を山影に隠す。 おやすみ、また明日。 でも、明日僕が出会う君は、本当に今沈んでいった君なのかな? INDEX| PAST| NEXT | NEWEST |