-殻-
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君の匂いをかぐと、何もかもどうでもよくなるんだ。
脳髄に沁みる感覚。 ぎゅううん、と、頭の奥の奥が微かに痺れる感じ。 なのに、僕は君を何故か冷たくあしらってしまう。 制御できる領域を越えてしまった。 統一性のない、子どものような、行き当たりばったりな態度。 君を不安にさせたい。 その匂いを纏わり付かせて、僕に擦り寄って。 心配そうな瞳で、僕を見上げて欲しいんだ。 アタシヲキラワナイデ、って、その顔に浮かべてよ。 壊れた欲望は、寝不足のアタマで加速していく。 そうしていつの間にか、目の前にいる君を見なくなっていく。 何度も繰り返してきた、愚かな、暴走。 INDEX| PAST| NEXT | NEWEST |