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さぁ飯だ。 珍しく休憩室には誰もいない。 オレは持ってきたカップ麺にポットからお湯を注ぐ。 フガフガ…。 うそーん。
ポットの蓋を開けて中をのぞく。 かろうじて一杯分ありそうな…。 すでに少し入れてしまっているので、ポットを抱えてカップ麺に注ぐ。 うぅー。 二センチほど足らない。 オレは足らない分だけ水を入れて湯沸しポットのスイッチを入れた。
本来なら後から使う人のことも考えて、多めに水を入れるんだけど。 緊急事態である。 しかも使う人が来るかどうかわからない。 早く沸けー。
数分たって待ちきれず蓋を開けて中を覗く。 おっ・・・もう大丈夫やろ。 ということで、沸騰はしていないが熱そうなお湯を残り二センチに注ぐ。
しかし、最後に(オレが休憩室に来る前)使ったやつは、水入れておけよなー。 まったくふざけてるぜ。
オレは今度は三人分くらいの水を足して、またスイッチを入れた。 満タンにしてしまうと時間がかかるからだ。 もし誰かが来て沸くまで待たせるのは悪い。 その横で食べるのも気が引ける。
コンコン。 レジの女の子が一人入ってきた。 休憩かぁ?お湯使うのかな・・。
休憩室の奥が女子更衣室になっている。なぜか。 着替えて出てきた彼女は買出しに行く様子。
えっと・・お湯使うかな? はい。 あー・・今入れたとこやからちょっと時間かかるかも。 休憩何時までですか? えっ・・あっオレは入れたからいいんだけどあなたが。 そうですか。じゃあ、おにぎりかなんかにします。 いや・・すぐ沸くから大丈夫よ。
そう言ってオレはさっき入れた水の量を半分にして、沸く時間を短縮させた。
あっそうですか。わかりました。 そう言って彼女は休憩室を出て行った。
それと入れ替わりに、惣菜やさんのおじさんが入ってきた。 手にはカップ麺。
あー・・すいません今入れたとこでちょっと時間が・・。 えーそうなの?じゃあ自分とこで湯沸かして入れるよ。 と言って出て行った。 惣菜やさんには厨房があるから湯が沸かせるのだ。
気ぃ使うなぁ・・ほんましかし最後に使ったやつ誰やー。 オレが悪もんみたいやんけー。 あー麺が延びる・・。 オレは自分のカップ麺を食い始めた。 少しぬるい。 でもしょうがない。
そこで買出しに出た彼女が帰ってきた。 手には小さいカップ麺。
まだ沸かない。 ・・・。 ジリジリと沸きそうな音がしてきた。 オレは申し訳なく麺をすする。 早く沸け・・。 心の中でつぶやく。 彼女はなにやら携帯をいじってる。 ・・・。 ピー、ピー、ピー。 沸いた。
沸いたよ。 ありがとうございます。 そこの横のボタン三回押したら三分のタイマーやから。 えっどこですか。 オレはタイマーをセットしてあげた。
はぁ・・よかった。 お湯の呪縛から解かれたぜ。
オレは安心して残りの麺をすする。 狭い休憩室におっさんと高校生の二人である。 食べ終えて、そそくさと休憩室を出ようとした時。 チャルメラの音が鳴った。 三分たったのだ。
召し上がれ。 行ってらっしゃい。
これがオレの湯沸しポットと格闘したドキュメンタリーのすべてである。 しかしこんなことがないと彼女とは会話していないだろう。 少しほのぼのしたのであった。
あの後、お湯足してくれたかなー。
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