両親が爪の長いのを嫌ったせいと、小学校低学年のうちから ピアノを習っていたせいか、いまだに爪を伸ばすことができない。 つけ爪も試しに買ってみたものの生来の粗雑さが災いして 朝つけた10本が夜まで持ちこたえたことが殆どなかった。 持ったとしても、必ずどこかに自分で引っ掻き傷を作ってしまうか つけ爪そのものを割ってしまう。
よっていつも深爪寸前までヤスリをかけるのが常で 仕上げにバッファーをかけていたら、 ふと爪を『研ぐ』という言葉を思い出した。
大体は猫科の動物に使う言葉なのだろう。 それでも女の爪というものもまた『研ぐ』という 表現が合うような気がするのは、何故。
イメージ的にピンと尖った長い爪を浮かべたからか。 (実際こういう爪を目にしたことはないけれど) 確かにこういう爪には、爪切りでパチンパチンとやるのは似合わない。 いずれにせよ、スクエアでもラウンドでもきれいな長い爪には 時間をかけてヤスリで『研ぐ』方が合っているし、 同性として色っぽいだろうとも思う。
改めて己の爪をまじまじと眺めた。 深爪寸前じゃ、色っぽいの『い』の字もありゃしない。
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