よーく考えたら、愚妹の挙式が再来週に迫っていた。 日付の認識はしていたものの、最近自分のことで手一杯だったせいか 着るものだの何だのを全く考えていなかったことに気づく。 おまけに相方も再び休日出勤が続くため、 一緒に買い物に出る日は今日くらいしかなさそうだと。
幸か不幸か、身内のフォーマルな席というものに殆ど縁のなかったもので その手のものを殆ど持っていない。 相方は一応スーツがあるにはあれど、これがまた10年ほど前に 作ったものだから何かヘン。やはり華奢な体にダブルは似合わない。 おまけに今日、髪を短く刈ってしまったので 試しに着てみたら弱っちいチンピラのようになってしまった。
出先にて。 男性は楽でいいなとつくづく思った。 買うものはスーツと靴の2つに決まっていたので、 計1時間もかからなかったが問題なのは私の方。 最初はパンツスーツでいいやと気楽に構えていたのに、 いざ探してみるとピンとくるようなものが見つからない。 相方をひきずり回すこと約4時間、こっちも段々頭がボーっとしてきた。
結局選んだのは黒のワンピースとシルバーグレイのショールに ビーズ使いのハイヒール。 ここにたどり着くまでに何回試着室のカーテンを開けたことか。 さすがに相方の目も充血していて、返事も虚ろになっている。 『どう?』と聞いても最初こそ多少言葉数が多かったものが 最後には『ああ。』しか言わなくなった。無理もないが。
夜。 夕食を作る気力もなく、かといって外食する気も起きず 買い置きのレトルトカレーとワインで夕食を済ませた。
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