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2005年10月10日(月)


■ゆめのはなし
台所が火事。火をなぜか霧吹きで消しているという。。火事の夢は斜め下のおうちから火が出ているのを見てからときどき見ます。

■トニー滝谷(映画)
村上春樹著「レキシントンの幽霊」のなかの一編で、とても地味な作品なので、どうしてこれを映像化しようと思ったのか気になるところです。いや、たぶん監督の熱意のたまものなんでしょう。

作品の印象としては短編を一冊読んだ、という読後感のようなものがありました(というか、ナレーションの西島秀俊はまるごと朗読したのかと思いました)。見ているほうも原作を意識しているから、というのはあると思う。村上春樹への思い入れの度合いによっても、作品からの受け取り方は変わるでしょう。良くも悪くもそういう作品。それから舞台的であり、ちょっと自主制作っぽい感じ(イッセー尾形が棒読みだったからかもしれない/でも棒読みじゃないと見れない作品ではある)もしました。音楽は坂本龍一で、前に見た「星になった少年」のときと比べると、ずいぶん作品と馴染んでいてよかったです。

宮沢りえは、村上春樹の描く女性像とはぜんぜん違う人なのだけど、この作品にはよく合ってました。とくに服を選んでいるときと、サングラスをかけたまま思いあぐねているときの表情がよかった。非常に重要な場面なのに、サングラスをかけさせて観客に眼を見せないというのはなんだかすごいなあと思いました。宮沢りえ、やっぱり立派になったなあと感慨深い。ただ、足だけを見せるシーンがたくさんあったのだけど、彼女の足は痩せすぎていて美しくなかった。「服を着るために生まれてきたようなひと」という役なのだから、映さないほうがよかったのではと思いました。プロなのだから、本当は身体も作れたらいいと思うのですけど、でも太るのが痩せるよりたいへんなひともいる。いる。

小説で終わったあとに映画で付け足した部分は、これは思い入れうんぬんを抜きにしても蛇足ではないかと。だいたいにおいて、原作ものに付け足すとろくなことにならないと思う。決してエピソード自体は悪くはないのだけど、トニーの物語としては違和感がある。

■コーヒー&シガレッツ
これに出てくるひとにあまり詳しくはないんであれなんですが、これは映画を趣味としている人が作った趣味の映画なんで、映画好きなひとは映画が好きというだけで楽しめるのではないでしょうか。ムダ話がえんえんと続き眠いんだけど、どうかえいえんに続けてくれ、というような感じ(笑)。

ケイト・ブランシェットが好きなんで彼女のパートがやっぱり好きでした。しかも切ないオチだ。あと小話的なものも面白かったし、イギー・ポップとトム・ウェイツかな、このふたりが一触即発!針山みたいにちくちくするんだけど、なんかでもちょっと可愛いかもとか、そんな微妙感が面白かったり。

なによりいいのは、テーブルを上から見たショット。真上からテーブルが映るたび、なぜか目が覚める。テーブルトーク、あれいいなあと思いました。通じ合わなくてもいいよな、と思う。好き勝手なことをぼそぼそ喋って(ぼそぼそというのが大事。盛り上がってはいけないです)、適当なところで「じゃ」と帰っていく、うーん、いい。

■蛇足ですが
レンタル屋の邦画のコーナーで、擦り切れた感じの「タッチ」のビデオを見つけて、そういえば南野陽子がやってたな…とか懐かしい気持ちで手に取ったら、女性の裸がどーんとあって、うわ南ちゃんがっ!と慌ててしまいました。よく見たら「ダッチ」と書いてあったのでした。まあつまらないオチですが、棚に戻すところを店員に見られたりね。。