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2005年10月14日(金)
■ラッコ ※イタチ科の水生生物で、泳ぎがうまい。 これは銀河鉄道の夜(角川文庫)の注釈。今日はすごいものを観ました。ベランダの手すりに三毛猫がまたがって座ってた。塀ならわかるんだけど、なぜに手すり。。うまく描写できないんですけど、絵的にかなり面白かったです。あと霞ヶ関で土がえるを踏みそうになって1メートルぐらいのけぞりました。 ■夜能 日比谷シティで毎年行われているらしい夜能のチケットをもらったので行ってきました。薪能って言わないんだ?と思っていたら、なるほど三方を高いビルに囲まれていて、とても火など焚けない様子。灯りがライトでずいぶん明るかったので、それはちょっとがっかり。佐渡で写真で見た薪能は荘厳だったので、そのイメージがずいぶん染み付いていました。ちなみに佐渡には能センターがあって、ロボット能「道上寺(石橋蓮司の解説付き)」も見ました。すげー面白かった。そんなわけで本物の能を観るのは初めてでした。歌人の馬場あき子さんが、初めて見た能で泣いたとおっしゃっていて、これはぜひとも泣きたいものだと思っていたのですが、別のベクトルでずいぶん楽しめました。 普通のものより演目がすくなかったと思うのですが、狂言「腰祈」/能「大般若」のふたつでした。狂言は野村萬斎/万作親子でした。野村萬斎すてき! でも万作さんはもっとすてきでした。素人目にも格が違う感じ。あたりまえですが、でもそれはたぶん精進するしかないっていう覚悟として伝わってくるし、萬斎さんも生き生きとやっていて面白かったです。ただ、あらすじを、間違えて昨日の演目「仏師」のところを読んでいて、話がチンプンカンプンでした。あらすじを読み直してようやく納得。話の筋自体はたいへんやさしいです。 能「大般若」は道上寺のようなおおがかりなしかけはないんですが、とにかく登場人物が多くて華やかでした。三蔵法師が大般若経を求めてインドに向かう途中で、深沙大王から法典を授かるお話です。三蔵法師(面なし)、謎の老人、飛天(天女)2人、龍神2人、眷属、それから謎の老人の真の姿・深沙大王の計8名。クライマックスでは7人が舞台に上がって、三蔵を囲んで踊ったりポーズを決めたり。そのポーズや三蔵を見送る神様たちの姿が仏画そのままにきちんと絵になっていて、そこでなんとなく能ってこんな感じかな、というのがわかったような気になりました。 突然チケットをもらったので下調べをする時間もなく、当然何を言っているのかわからないので、最初は外国人になったつもりで、オペラか京劇を見ている心持ちでいようと決めて見ていたら、深みなどぜんぜんわからんのですが、普通に面白かったです。ちょっと興奮しました(笑)。あと初めてならではで、ものすごくびっくりしたのは、終演のとき。三蔵を見送ったあと、神様たち6人も一列に並んで橋掛りを去って行くのはなかなかに面白い絵柄でした。みんな頭に水煙(塔の上についている透かし彫りのようなやつ)のみたいなでかい龍をつけてるし! 神様といえど舞台から消えるわけにはいかないしな…と、思いつつ、神様たちの後を黒子2人が舞台道具の台を抱えて負っていくのも不思議だったし、伴奏の方々も思い思いに片付けて舞台を降りていくのにはびっくりしました。見えているけど見えていない…みたいな。不思議な文化です。 ![]() |