![]() |
更新履歴 キキ
[home]
![]()
2009年02月22日(日)
■チュチュカレイドスコープレビューより、萌ちゃん 久しぶりにじっくり聞くことのできた藤坂萌子ちゃんの朗読は心に響いた。萌ちゃんの朗読は昔から好きだったけれど、いったいどこが好きなのか自分でも解らずにいた。けれど、昨日急に、はっきりとわかったのだった。 この人の朗読は、『人を恋しい』と思う気持ちを思い出させるのだと。人恋しい、ではなく、愛している、でもない。ある特定の人をただ恋しいと思う気持ち。それはまったく持ったことのない人もいるだろうし、今抱いているひともいるだろう。わたしのように”かつて持っていた”、人もいるだろう。 その人の顔かたち、声、その人へ向けていた感情すら思い出せないのに、自分がある人を恋しかったその感触が、じわじわと掘り起こされて来るのである。わたしはその人のことでもう泣く理由はまったくない。もう思い出しもしない。けれど、生あたたかく、強烈な、心の底がじんじんする奇妙な渇望は、ああ身体が記憶しているのだ、と思った。好きでも欲しいでもない、ただ恋しい、そういう気持ち。 ![]() |