勝手口には紺色の木箱があった
毎日ビンの牛乳が置かれていた
ビン牛乳のおいしさに いつまでたっても紙パックは及ばない
たまに「オマケ」にローリーがついてくる 兄弟でオマケを取り合ったものだ
チーズといえば円形の入れ物に銀紙包み 「一個だけやで!」と毎度言われた 母の声を今でも思い出せる
バターといえば黄色い箱 ホットケーキにはこれがなくちゃ 始まらなかったな
生活に入り込んだ乳製品の その殆どにあの印があった
心無い一部の人たちが だいなしにしてしまった
あの印
この時勢に不謹慎だろうか
なぜか 「つぶれて欲しくない」と思うんだ
あの印には大切な思い出があるんだ
だから いつまでもひっかかっているんだ
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