ひびき(日々記)
「夢を叶えて 夢になりたい」

2002年02月23日(土) お誕生日2

「アンタとこ、うまいこと名前付けたな」
これは母に対する
近所のおばちゃんの社交辞令だった

スミトという色黒の僕
ユキトという色白の兄
二人はまるで磁石の極のように
まるで違う方向性を歩いていた

僕がギターとバイクに明け暮れていた頃
兄は生き物と写真と天体を愛していた

ギター バイク スキー 
カメラ 天体望遠鏡 パソコン
家には各々の宝物が沢山転がっていて
兄が僕に教わる事はなくとも
僕が兄に教えてもらえる事はいっぱいあった

蛾が苦手な僕は
夏になると家の中に入って来ては
飛び回るそいつから逃げ回っていた

「別に何もしよらへんやんけ」
そう言って笑いながら
手のひらでそっと蛾を包み
外へ逃がしてやっていた兄

兄は僕に出来ない事をやれる
別々の歩みを進めていたからこそ
僕は兄のそんなところを
何気に尊敬していたと思う

年を経た僕らは
お互いに個々の社会生活を築き始め
かつてのように兄弟として
気軽に物事を考えられなくなったかもしれない

それは決してデメリットではなく
人間として語り合える相互関係を
確実に僕らに与えてくれている

でも弟は兄に願う

歯に衣着せないやり方でずっとやって行きましょう

僕らは幸運にも同じ両親のもとに生まれ
未来永劫アカの他人にはなり得ないのですから

いつまでも好き勝手言ってる弟でいさせてください

兄ちゃん おめでとう


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