花のある道を選び 街を出来るだけ避けた
負担のない速さで 歩く様に自転車をこぐ
雨を匂わせる 薄暗い夕暮れが 景色を少し遠くする
花の見頃など 人の決め事
花はただ 訪れた春を喜んで咲く
川沿いのベンチで止まり ヘッドライトが気になる時までいた
仰向けの視界に 曇り空と花を入れて 何をするでもなく見ていた
・・・
最近人と会わない 会いたくないわけじゃない 自分から動かずにいたら 誰とも会えないだけの事
会ったところでグチるだけ 会う人は迷惑するだろう
花は何も言わないけれど 今の僕には最高の聞き手
「今夜もさ、がんばるわ」 そう言ってちゃりり〜にまたがった
往来を邪魔と感じない速さで 溶け込みながら走って帰った
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