「博士の愛した数式」を映画で観て以来、小川洋子さんの小説に嵌っている。今日読み終わったのは、「偶然の祝福」。短編を貫くテーマは「失ったもの。」 大きなものからささいなものまで、毎日毎日なんて多くのことをわたしたちは失いながら生きているのだろう。そしてその喪失が、失いっぱなしにされたりせずに、代わりの何かを残していく、という設定に救われる思いがする。