気ままな日記
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10月に、むすこの通う高校で修学旅行が行われる。秋は、旅行だけでなく、文化祭だの体育祭だののイベントの季節である。 本来なら、楽しかったなあなどという気持ちとともに懐かしく思い出されるのだろうが、わたしには、憂鬱と苦悩とともに蘇る。それはイベントに伴って行われるグループ分け。当日の行動のみならず、企画段階から行動をともにするメンバーの構成。好きな人同士が組む、ということに相場が決まっていた。 それほど愛想が悪かったわけでも、積極的に意地が悪かったわけでもないのに、なぜか気づくとひとりだけ残されて、最終的には、心優しいグループにお客さんみたいにして混ぜてもらうということになるのだった。 体育館や音楽教室での移動、休み時間―。そういえばなぜか気づくとひとりでいた。ひとりでいる、ということそのものよりも、「あ〜、あのひと、友達がいないんだあ」という他人の視線が苦痛だった。変にプライドが高かったのだ。 群れないでも、自然に見える男子生徒がとてもうらやましかった。 学校を卒業し企業に就職するとそこでも待っていたのは、昼休みに「群れて」食事をするしきたり。それは同期同士のグループだったり、顔も性格もいかにも「つぼね」という女性を中心としたグループだったりしたが、どちらも居心地が悪い思いは学生の時と同じだった。 そして、今。お昼の鐘がなると、男性だろうが女性だろうが、自分の机の上にそれぞれのお弁当を広げ、黙々と食事をし、そのあとは好き勝手に本を読んだり買い物にでかけたりする光景に、やっとわたしにしっくりとする空間を得たような気がするのである。
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