気ままな日記
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トイレでクモを飼っている。もうひと月以上になるだろうか。 もちろん飼おうと思って飼い始めたわけではない。 ある日、しゃがんでいると、目の前に小さな巣を張ってじっとしている彼を発見した。ぴょんぴょん跳ねるクモならば、すぐさまティッシュでつまんで、ゴミ箱行きなのだが、目の前のクモの行動範囲は、巣の張られたせいぜい半径20センチ程に限られている。それで何の気なしに見逃したのだ。 不思議なもので、毎日眺めていると、愛着が湧いてくるものである。 一般的なその他の虫と違い、どこから現れるかわからないという不穏さがない。線だけで出来上がったような、スリムボディもなんとなく清潔そうである。 最初の頃より、体も若干大きくなったようだ。以前居た蚊がいなくなったので、そういうものを食べて生き延びているのだろう。 あの世に行って、地獄の血の池に落ちるようなことがあれば、もしかしてこのクモが助けに来てくれるかもしれません。 その時は、我も我もと、あとから這い登ってくる輩たちに向かって、間違っても、 「来るなー!糸が切れる」などと、叫ばないようにしたいものである。
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