気ままな日記
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先日、友人が、発車間際の電車に乗ろうと走ったところ、コンクリートの上で転んで顔面に大怪我をした。年の頃は、わたしよりも少し上。その話を聞いて、 「そうそう、頭では、ああ、転ぶ転ぶって冷静にわかっているのに、からだの方はもうどうしようもなく、転んでいくのよね」と笑いながら言い合ったものだ。 で、今日。 なみなみと注いだコーヒー片手に、さてバナナケーキでも食べようなどと思い、布団をまたごうとしたその瞬間。シーツを踏んづけたその足には、すべりやすいソックス。 「あああ、転ぶ」スローモーションのように、からだがゆっくりと傾いていく。 「コーヒーカップを持った手はどうしよう、放そうか放すまいか……」 転びゆきながらも、冷静な部分が考える。 結局、カップはぎゅっと握り締めたまま。布団の上にすべってころんで、起き上がってあたりを見回すと、ぶちまけられたコーヒが、あっちこっちに、茶色の水たまり、または染みを作っている。 こんな時は、がっくりとして、すぐに行動する気も起きないものだ。なにから手をつけていいかさえわからなくなる。もう、慌てたところで仕方がなし。 びしょびしょの洋服を取り替え、毛布を洗い、シーツを洗い、畳をごしごしとふき取る。部屋中たちこめるコーヒーの香り。 ひとあし早い年末の洗濯騒ぎとなったのだった。
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