気ままな日記
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地下鉄の切符売場でのことだ。自動販売機で切符を買い、財布をかばんにしまおうとしていたら、目の前に女の子がすっと立った。おとなしそうな今風のぴらぴらした服装を来た10代半ば、といったところ。 その彼女がわたしに向かって小さな声で、 「あの、外国人なんですけど」 「は?」とわたし。 「あの、わたし外国人なんですけど。お金をなくしてしまって……」 語尾の方は、”外国人”と名乗るだけあって、発音がごにょごにょしていてよく聞き取れなかったけれど、わたしの手にしていた財布をちらちらと見ながらしゃべるところを見て、意図は明白。 よく見ればアジア系の外国の方、という風にも見えなくもない。が、外国人だったらなんだっつうの。それならお金持ってなくてもいいわけ?そんなこと売りにするのはけしからん、などという気持ちばかりが湧き上がり、到底同情の余地なし。 「駅員さんに聞いてみたらいかがです?」とあっさり言い放ってすたすたとその場を離れた。 本当に困っていたのかもしれないけれど、やっぱり妙な同情心をあおられなくてよかったと後で思う。 ちょっとかわいい子だったので、寛大な男性諸氏なら、返金されないのは承知の上で、彼女にお札の1枚2枚ぐらい渡していたかもしれない。 よりによって、日頃から気前もさほど良くなく、その日は特に機嫌の悪かった中年のおばさんを選ぶとは。人選の誤りとしかいいようがない。 お嬢さん、もうちょっと人を見る目を養わないとね。
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