気ままな日記
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2007年09月16日(日) 気の利いた?みやげ

 わたしたちの夏休みは、お盆休みのようにいつからいつまでと決まっているわけではない。各自、7月から9月までの間に5日間とることになっている。
 この期間、特に週明けともなると、おやつタイムのメニューが俄然賑わいを見せる。夏休み=旅行、もしくは帰省という図式は、今も昔も変わらない。そこで、どこそこへ行きました、休暇中はお世話さまでした、というお印を兼ねて、全国のお菓子がみんなの事務机に配られるというわけだ。
 近頃では、お菓子の名前そのものが『○○へ行ってきました』というものまである。これだと、いちいちどこに行って来たかを説明しなくても済む、というわけか。もっとも、このテのものがおいしかったためしはないのだが……。

 みやげと言って思い出すのは、伊勢名物「赤福」。あんこがあまり好きではないわたしでも、これはおいしいと思う。
 買ってくるほうも、「やっぱり伊勢といえば赤福。それっきゃないでしょ」と気を利かしているのだろう。
 しかし、あの薄桃色の箱を、出勤早々「これ配っておいて」と手渡されると、暗澹たる思いがする。あんこたっぷり詰まってますわよ、といわんばかりのずっしりと持ち重りのする箱とともに、やっかいな荷物を背負わされたような……。
 表の帯を解いて、紙のふたをあけると、そこには隣との境目もあいまいに、みっちりとくっつきあって並んだ赤福が。
 付属のへらでひとつひとつ、その形をくずさぬよう、なめらかにつけられた模様を乱さぬよう、分けるのは至難の業。ヘラの先で無理やりもちをはがし、あんこをねじ切り、それでもうまくいかなければ、誰も見てないのをいいことに指で強引につまんで分ける。
 さて、分けたはいいが、何に置く。ティッシュでは頼りない。皿に置くなんて、もってのほか。後誰が洗うんだということになるので、自分の首を絞めることになる。結局、直に置くのはなんだか汚いなあ、と思いつつメモ用紙の裏に。そのころには、さんざんこねくり回したあとなので、最初の整然と波を打つような模様は、見る影もない。
 これがまた忙しい週明けの月曜日の朝となると、せっかくの好意も自己満足としか受け取れなくなってくる。
 以前血圧が高くて体調を崩しがちだった隣席の同僚が、課長の買ってきた赤福を前に、「あらー」「やーん、くっついちゃった」と、青筋たてながら悪戦苦闘していたのを思い出す。
 やはりあのおみやげは、家庭向き。買ってくるなら自分で配るとか、最後まで責任もってくださいね。


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