84 子供受験生 |
小学生の頃、俺は受験生だった。たぶんこれまでの人生で一番勉強をしていたと思う。俺はそんなに覚えていないんだけど、親が言うにはものすごい勉強をしていたらしい。しかも自発的に!すごい。その頃の俺の勉強パワーを今の俺にもわけてほしい・・・。 確かに勉強をしていた記憶もあるんだけど、それよりは俺としてはうまくさぼろうとしていたことのほうが記憶にあったりする。いや、勉強はしてたんだよ。ほんと、特に試験前の半年だか一年前くらいは。でも、小学4年生くらいから塾に行き始めて、はじめのころなんかは全然受験に対する意識がないから、さぼることを考えていた。いくつかあったけど、一番よく覚えているのが、漢字の練習のさぼりだ。 俺は国語が苦手だった。塾では確か毎回漢字の試験が最初にあって、合格点に達しないものは、授業が終わってから間違えた漢字を一つにつき30回ずつ書かされた。俺はほぼ毎回だめで、そのたびに残されていた。これは残された人のほとんどがそうなんだけど、いかにして数を少なく書くか、が問題だった。30回ずつ書いたら先生に見せに言って、オッケーが出たら帰っていいんだけど、30回ずつを数えているわけじゃないから、ギリギリのとこでサボる。20回じゃばればれだし、25回でも連続してやるとまずい。27回とか28回とか、なるべく数を少なくクリアしたいのだ。でも先生だって小学生にだまされるほどバカじゃない。何度も見破られ、そのたびに書き直し。先生んとこにいって、また戻ってくる友達がたくさんいた。俺もそう。 「先生〜!やっと終わりました〜!」・・・「おう、見せてみろ。」「・・・おい、これ26しかないぞ。はい、書き直し。」「あれ〜?数え間違えかな〜?」毎日こんなんばっか・・・。
|
2003年08月15日(金)
|
|