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95 静岡一人旅(3日目〜後編〜)

朝6時起きでこちらに向かってきたので、思えば朝から何も食べていなかった。千頭駅で取り残されたのが10時半過ぎ。むしろちょうどいいじゃないか!と前向きに考え、食事何処をさがしたのだが、この街なんもない。食堂の看板はいくつかあるんだけど、なぜかほとんどしまっていて、唯一あいていたカレー屋へ。ほんとはそこでゆっくり本でも読んで時間を潰そうかと思ったんだけど、まさかの来客にあわてて用意してくれたおばちゃんと二人で同じ空間に2時間いることがイヤで、食べてすぐ店を出た。近くの川原でのんびりしてから、駅のホームで本を読む。
2時間が経過し、ついに列車が!赤いトロッコ列車はいいアジが出ていて、線路を走る音もうるささが逆によかった。発車すると運転士さんがアナウンスを始める。まるで観光バスにのってバスガイドさんがするかのように、右に〜が見えます。左をご覧ください。と。ときには「この駅には4人のおばあちゃんが住んでいて、そのうち3人はなんたらかんたら」なんてアナウンスまでしていた。すごい・・・。
奥大井湖上駅までは10ほどの駅がある。その真ん中あたりで「アプト式列車」というものへ接続する。このアプト式というのは日本で唯一の急な坂を昇降するための手段なんだそうだ。歯車を噛み合わせることで上るらしく、上り始める地点で一番後ろの車両にその列車をとりつける。坂は1000メートル走る間に90メートル昇降するという、電車にしてはほんと急なもので、乗っている間でもそれを感じることはできた。
この列車に乗っている間は、感動のしっぱなしだった。もう最高!文句なし!景色はすばらしいし、軋む列車や、うるさい音がとても刺激的だった。いくつも短いトンネルをくぐり、そのたびに音がすさまじく、また当然のように窓は開けっ放しで、ずっと風を浴びながら、景色を眺めていた。山林の間をくぐり、川の横を抜け、山を上り、そしてたどり着いた先は、湖の上の駅だ。
奥大井湖上駅。とても素敵な駅だった。「中部地方駅100選」というものに選ばれているらしい。駅の両側に鉄橋が走り、岸と岸とをつなげている。駅は登山口となっていて、コテージが一軒あった。次にすんなり帰るためには約10分後の帰りの列車に乗らなければならず、そのわずかな時間でじっくりとこの駅を楽しんだ。鉄橋の真ん中まで歩くと、下はものすごい高さで、両側の景色はすばらしかった。
時間いっぱいまで絶景を楽しみ、帰路についた。
今回のたびのラストをしめくくるには最高の場所だった!奥大井湖上駅。また行きたいと思う。今度は紅葉がきれいな季節にでも、いつか必ず・・・。
2003年09月12日(金)

VOICE / マッキー

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