| 102 さとうびき畑の唄 |
秋の特別番組『さとうきび畑の唄』を見た。見た人も多いんじゃないかな?とてもよくできた番組だった。ストーリーは、第二次世界大戦での沖縄の地上戦を描いたもの。とてもリアルだった。明石屋さんまが主人公で、その他も豪華なキャスト。現代からの回想として語られるそのストーリーは、幸せな家族の戦争による悲劇を、家族のいろいろな視点から映し出していた。想うところはたくさんある。 さんま演じるお父さんは、みんなの笑顔が大好きな写真家なんだけど、戦争という悲劇の中でも、みんなのことを笑わせようとしている。そんな姿が逆に泣けてくる。隊が隊列を組んで、森の中を歩くときも、飛行場を作るために過酷な労働に従事しているときも、みんなの悲しい顔を笑顔に変えるために笑いを誘うことを言う。「お国のため」と本当に信じて疑わない人々もいれば、そのことを批判し、白い目で見られる人もいる。どちらにしたところで戦争というのは行き場のないものだと痛感させられた。 立場というものだけでなく、実際に沖縄の地上戦のあまりの悲惨さを、痛烈に感じさせるストーリーと描写だったと思う。圧倒的な武力の差、容赦のない攻撃。だからといって後ろを向いたら上官に殺される。見ていて息がつまる思いをする場面が幾度となくあった。 最初と最後に現代のシーンがあり、その間に回想として語られるんだけど、すべて語られたあとで、現代のシーンに戻る。おばあちゃん(といっても若い。お母さん?)が孫(娘?)に語り、最後に女の子は携帯のカメラを使って、二人で写真を撮る。さんまが撮っていた笑顔の写真と同じく、幸せそうな笑顔で。戦争の最中に撮られた昭和のカメラによる笑顔と、現代に携帯のカメラで撮られる笑顔。その対比がおもしろい。 とてもよかった。是非みてほしいね。
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2003年09月28日(日)
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