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112 オヤジ狩り

先日、俺の父親がオヤジ狩りにあった。普段あまり話をしない俺と父親だけど、この日は帰ってくるや俺を呼びかけ、話しかけてきた。おでこに怪我を治療したあとがあり、表情をみて、話し始めた言葉の雰囲気から、すぐに察した。会社から家に帰ってくる途中、3人組の若者に襲われたというのだ。暴行を受けながらも、なんとか走って逃げてきたらしく、怪我はそこまでひどいものではなかった。けど、その事情を説明する父親は苦笑いを続け、痛々しかった。母親や妹は俺なんかよりも全然ショックが大きかったらしく、朝ふたりに会うと、ものすごい勢いで「聞いた?聞いた?」とたずねてきた。どうやら俺は心のどこかでそういうことは起き得ることだという思いがあり、多少構えがあったんだと思う。それは父親が、ということよりも自分がそういう目にあうことはありえないことではないという思いだ。だから父親がそういう目にあったときに、驚きはしたものの、やはりありえる話だけに大げさには驚けなかった。

ほんと最低だ!許せねぇ!自分より力の弱いものを大人数で暴力を振るうなんて、見つけ出してぶん殴ってやりたい!でもやつらはわかっているんだ。どうやったって見つけ出せないことを。

やつらにあるのは、ちょっと強めの腕力と、卑怯な心と、群れにならなきゃなんにもできない弱さだけだ。そういう人間は昔から嫌いだった。一人では自分の意見を何ひとつ言えないくせして、集団になると人を罵り傷つけることをなんでもないと感じてしまう。あとでまた一対一になると、とってつけたような言い訳をし、ノリだから仕方がないなんて言ってのける。なんて弱い人間なんだといつも思っていた。

ちょっと反れてしまったけど、やつらの根本にあるのはそういう弱さだ。人の痛みを感じられない癖に、自分の痛みにはやたら痛がってケチをつけたがる。

まぁいまさら愚痴を言ったところでどうにもなるもんでもないけど、こういう行き所のない怒りを、せめてここにぶつけたかった。

あと、やはりニュースで流れているような事件というのは、怖くてもやはり人事であることが多いと思う。でもこうして知っている人間の肉親がこのような目にあったという事実でも人事となってしまい伝わらなければ、次に自分が本当に人事でなくリアルに感じられるのは、自分がそういう目にあったときでしかない。

俺の身の回りにこういうことがおきた。だからこのことを機に、これは起こりうることだと身に感じてくれたら幸いだ。女性は特に、そして男性も。日本も最近は治安が悪くなる一方だ。気をつけるにこしたことはない。
2003年10月29日(水)

VOICE / マッキー

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