親類が小脳の病気になったらしい。 遺伝性のその病気は、その人の母親が発病していたものだ。 もう亡くなったおばさんの症状がかなり進行してからお見舞いに行ったとき、自分が言葉をなくしたのを覚えている。 もう20年ほども前のことになるだろう。 医学は日に日にめざましく進歩しているのに、20年経っても治療法はない。 今のところ進行を遅らせる薬と、特定疾患としての認定があるだけだ。 完治しない病とは、これから何年間もつきあってゆかなければならないから大きな病院に移る事もなく、日々の暮らしをしているそうだ。 歩行や言語が徐々に麻痺してゆく。 それでも、自分にできる仕事をしていくのだと。 それでも、夫にできる仕事をさせたいのだと。 大恋愛で結ばれた夫婦。 あたしが幼かった頃の遠い記憶の中で、若い2人は輝いている。 胸が痛い。
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