Deckard's Movie Diary
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2001年04月02日(月)  ツバル アカシアの道

 『ツバル』を見に行きました。この映画はちょっと変わっていて、昔のサイレント映画のようです。もちろん字幕もありません。全体を覆う湿った空気感や単色にころばせた画面設計など、製作者サイドの意気込みも伺えます。ただ、そういう設定ですから難解なストーリー展開は無理としても、もう少し話をふくらませた方が良かったんじゃないでしょうか。今時の雰囲気を持ったサイレント映画という範疇から抜け出てないんです。言い換えれば昔のサイレント映画の中に入ったら、どうってことありません。ちょっとキュートな雰囲気もあるだけに、もうちょっと笑わせて欲しかったし、泣かせて欲しかったです。でも、ゴラン・ブレコヴィッチのエンディングテーマは良かったなぁ・・・。

 『アカシアの道』は『バタアシ金魚』でデビューした松岡錠司監督作品。幼い頃から絶対的な存在の母親の下で、いつも怯えて暮らしていた娘。高校卒業を境に逃げるように疎遠になっていったが、アルツハイマー病を発症した母親を介護することになって・・・・。というのがストーリーです。かなり踏み込んだテーマなんですが、よく出来た単発TVドラマってカンジなんですねぇ。TVドラマというのはCMが入ったり、明るかったりで、TV特有のリズムがあります。映画は閉ざされた空間で、集中して見ているわけです。集中しているからスクリーンと観客に、ある緊張感が生まれ、それがより深い感動を与えたりするものなのです。この映画はその緊張感が持続しません。全体に散漫なんです。もっとドロドロしてると思うのですが・・・。娘役の夏川結衣も母親役の渡辺美佐子も好演しているだけに、惜しまれます。話変わりますが最近の夏川結衣っていいですねぇ。一時期、ちょっと落ち込んでいましたが、このところの彼女を見ていると、日本女性が普通に持っているの淑やかな色気を感じます。・・・・オレだけかなぁ・・・・。


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