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小指を立てた男性が『私はコレで辞めました!』という禁煙パイポのCMで一躍有名になった遅咲きの市川準監督。『東京マリーゴールド』は林真理子原作の映画化です。CM出身の監督らしく、影像は望遠レンズを多用し、見慣れた東京の風景も計算された美しさで包まれています。しかしこの映画に関して言えば、CM出身監督の弱点も露呈しています。情緒に流れすぎていて、田中麗奈扮するヒロインの心情が曖昧なんです。確かに田中麗奈は最近の女優の中では素晴らしい資質を持っていますが、そんな彼女の豊かな表情と存在感だけに頼るのはどうでしょうか。なぜ彼に「1年間限りの提案」をしたのか分かりません!「なにか変化が欲しかった」という気分だけでは、あまりに短絡的で、最終的なヒロインの心情に思い入れ出来ませんでした。市川準が自ら演出したSSKの企業CMが、重要な要素で使われていたのにはちょっとビックリ!また、この映画は「味の素・ほんだし」のタイアップ企画ですので、CMと同じ家で生活し、お味噌汁を飲んでいます。悪しからず!
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