Deckard's Movie Diary index|past|will
『クイルズ』。マルキ・ド・サド公爵の逸話を元にした映画。監督は『ライト・スタッフ』『存在の耐えられない軽さ』などのフィリップ・カウフマン。サド公爵役は「シャイン」のジェフリー・ラッシュ。サド公爵は、言わずと知れた「性的サディズム」という性障害の名前の元になった人物です。まぁ、今や巷では「SM」と呼ばれ、性的プレイの一種として広く知れ渡った行為の生みの親とも言えるでしょう。しかし、物語はそんな妖しく楽しいものではなく、18世紀フランスのナポレオン政権に追放・弾圧されながらも、「書き続ける!」というサド公爵の執念を「表現の自由」と「芸術が生む罪」という永遠のテーマを含みつつ描いています。かなり出来のいい作品ですが、サド公爵の執念の描き方がキレイ過ぎるカンジでした。もう少しドキっとするシーンが欲しかったです。ただポッチャリ洗濯娘のケイト・ウィンスレットやおぼこ娘のアメリア・ウォーナーはフフフッと感じさせるキャスティングでした。
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