Deckard's Movie Diary
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2001年06月13日(水)  ステレオ・フューチャー 非・バランス

 久々のテアトル水曜1000円(男もネ!)の日。まず新宿でクリップ出身の中野裕之監督の『ステレオ・フューチャー』。どうも今ひとつ消化不良な映画です。簡単に言ってしまえば別れた男女が再び元に戻るまでのストーリー。で、そこへなにやら意味ありげな「言葉」や「人々」そして「環境問題」「バラエティ乗りのコント」など、色々盛りだくさんです。で、結局なんなの?なんだか780円くらいのフレンチのフルコースみたいな料理で、これだったら同じ値段の一品料理の方がいいなぁ・・・と。でも若い人にはウけるんかなぁ・・・?オレの隣で一人で見に来ていた女性(独断推定年齢25才)は竹中直人の怪演に膝を叩いて大受けしていました。それ以外のシーンになると携帯を見たり、欠伸をしたり・・・でもたぶん、ぴあの出口調査隊に聞かれたら「面白かったです。90点!」なんて言うんでしょうねぇ・・・。あ、そうだ!永瀬正敏の部屋の美術だけは素晴らしかったなぁ・・・。

 終わってすぐ渋谷へ直行!シネセゾンも水曜1000円なんで!気になっていた『非・バランス』を見ました。どうも小生はオカマという人種が苦手でして、この映画も小日向文世演じるオカマが重要な要素になっていて、気にはなってたんですけど見ようか見まいか迷っていたんです。結果は、アタリ!でした。ストーリーは小学校時代に信じていた友人からイジメに合ったことで、中学生になったら「クールに生きる」「友達は作らない!」という二つの誓いを立てている派谷恵美(ハタチヤメグミと読むらしい。完璧8頭身スタイルの新人。ホンマに最近の子供は!)演じる14才の少女・チアキが、オカマの菊ちゃんと知り合って過去の傷を乗り越え、成長していく話しです。オカマというのは男でもなく女でもないワケで、考えてみれば10代前半の少年少女達も同じようにどっちつかず存在(もちろん個人差はあるでしょうけど)なんでしょう。そのあたりがチアキにとっていごごちが良かったのかもしれません。ただオカマというのは一般的にはアウトローですし、おかしな人達という認識しか持たない人々も多いでしょうから、なんの差別もせず菊ちゃんと付き合えたチアキはかなりの純粋少女ということも考えられます。そういう少女だったからこそイジメの対象になったのかもしれないし・・・ふー!生き難い世の中だぜ!映画としては、オカマの切なさがもっと出てると良かったんだけどなぁ・・・普通の女性と大差のない描き方になってしまったのが惜しい!ちなみに、小日向文世のオカマの菊ちゃんは驚くほどリアルでした。余談ですけどチアキの部屋に貼ってあった『スリーピィ・ホロウ』『バットマン』のパンフレットが嬉しかったな。


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