Deckard's Movie Diary
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2001年06月27日(水)  ダンス・オブ・ダスト

 制作直後から、理由がわからないまま一切の上映が禁止になっていた幻のイラン映画『ダンス・オブ・ダスト』を見ました。ストーリーは煉瓦造りをして暮らしている少年と、その村に来た季節労働者の娘との儚い心の思いを描いています。二人は手を触れるどころか言葉さえ交わしません。遠くから名前を呼び合うだけです。音楽はほとんどありませんし、字幕もありません。ただ、笑い声、泣き声、叫び声、歌声、祈りの声、風、水、火の燃える音、土を捏ねる音、道具の音など様々な音が聞こえてきます。ほとんど影像と現場音だけを重ねたスケッチ風な作りで、映画はどこまでも淡々と進み突然終わります。しかしこの影像映画が観る物に強いるイマジネーションは心地の良いものでした。イラン映画というのは淡白な作りが多くて、ハリウッド的コミュニケーションに慣れてしまった身としては少々もの足りない気もしますが、それはそれで奥深く侮れないものを感じます。それにしてもスカーフとかヴェールとか小物が綺麗だなぁ・・・・。もちろん表情が一番なんだけど!


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