Deckard's Movie Diary index|past|will
前日『E T』のトーマス・ハウエルと再会したからではありませんが、見ましたぜ!『A.I』。結論から言えば「トホホ」でした。想像していた話は「子供を無くした夫婦が、その子供とそっくりなロボットを手に入れる。夫婦はとても喜び、そのロボットを可愛がる。深い愛情をそそぎ、その内ロボットとは思えなくなってくる。しかしやがて気付く、ロボットは成長をしない・・・。決して大きくならない・・・。本当の子供とは違う!その時、人間の愛情は、ロボットの無償の愛情は・・・・やがて起こりうるだろう人間とロボットの複雑な関係・・・」というようなストーリーかなぁ・・・と、「天馬博士とトビオとアトム」の関係ですね。人間というのは不確かな生き物で、エゴの塊です。だから「確かなモノ」に憧れ、それが「信じる」という気持ちにさせてくれたりするのです。しかし「信じる」もまた自分だけのエゴに変わりはありません。そして、その「確かなモノに憧れるエゴ」が、様々な芸術を生んでいるとも思います。逆に言えば「確かなモノ」ほどつまらなく平凡なモノはありません。まぁ、この世の中に「確かなモノ」なんてありませんが・・・、あるとしたら「死」だけでしょう。だからロボットにインプットされた「確かな愛」なんてなんの魅力もありません。彼はロボットですから。どこまでも「憎め!」とインプットされたら壊れるまで何千年も憎むワケです。「想像以上に人間の心が宿ってしまったロボット」という観点で考えてみても可笑しいと思います。人間の心が宿ったのなら、自分を捨てた相手を無条件に愛しているのも可笑しいでしょ。ロボット以外は、単細胞でお馬鹿な人間ばかりが出てきて大騒ぎをし、手垢のついた世界観は見るべき物もありません。飼い主の都合で遠い場所に捨てられた犬が、何ヶ月もかかってボロボロになって帰ってくるまでのハナシです。それでも犬は生きもの(不確かなもの)ですから、そこにドラマは生まれるでしょう。でもロボットはどうなの?修理すればいいんでしょ^^ だいたい彼はあの後どうするの?また違うコトでもインプットされるのかなぁ? まぁ、気に入ってる人は「そんな固いコト云うなよ!これだけ無償な愛って美しいよなぁ・・・」なんて思ったりするんでしょうか・・・。それにしてもホントにオスメント君は上手い!10時からの初回でしたが半分位の入りでした。
|