Deckard's Movie Diary
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2001年08月10日(金)  ゴースト・ワールド 波

 観に行こうと思っていた『蝶の舌』がメチャ混みと聞いて急遽『ゴースト・ワールド』へ。全米で絶大な人気コミックの映画化。高校卒業した女の子が繰り広げる「ダメに生きる」がキャッチフレーズの青春モノ。主人公のイーニド(ソーラ・バーチ)はかなり歪んだ性格というか、屈折したというか、素直じゃないというか、知り合いにこんな娘がいたら、ハッキリ言って「ウザイ!」奴なんです。流行っていそうなモノとか流行りそうなモノなんて全面否定、めちゃダサイものが逆に良くなっちゃって、そのうち自分でも何がなんだか分からなくなっちゃって・・・みたいな娘なんです。でもそんな娘なんですが、妙に共感出来るんです。それはナゼか?ソーラ・バーチのデーン?とした存在感や監督・テリー・ツワイコフの突き放した演出の上手さもありますが、イーニドの生き方に懐かしくて、切ない輝きを感じてしまうんです。ある時期にしか輝かないモノ・・・・。やがて来る新しい世界への必死の抵抗みたいな・・・。惜しむらくは、ラストの描き方が微妙かなぁ・・・・。友人役のスカーレット・ヨハンセンも魅力的ですが、ダサ男役のスティーブ・ブシェーミも流石です。

 フラフラと波のように『波』へ。監督はデビュー作『タイムレス・メロディ』で釜山映画祭グランプリ獲得の奥原浩志。若者4人のひと夏の物語。舞台は西伊豆。その辺にヨク転がっているインスタントで希薄な人間関係。SEXしている時しか生きている実感がなくて、映画に登場する意識のない寝たきり老人のような3人(狙いなんだろうけど・・・)。わずかに東京から逃げてくる男に映画的な魅力があるが、基本的には、どうってことない若者のどうってことない日常を描いた、どうってことない映画。『タイムレス・メロディ』の予告編で感じた印象の通りでした。この映画を薦める人は、どうも稚拙と寡黙を勘違いしているような気がしてしょうがないのですが・・・。


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