Deckard's Movie Diary
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2001年08月15日(水)  渦 ウェディング・シンガー

 クローネンバーグ、エゴヤンに続くと云われているカナダのデル・ビルヌーヴ監督の『渦』。この映画はカナダの主要な映画祭のグランプリを独占した作品で、監督の個性が強烈に映像化されています。だから、とても面白いです。その個性が好きか嫌いかで評価が分かれますが、一見の価値はあるでしょう。観ている最中から日活ロマンポルノやATGの傑作、さらに今村昌平あたりに通じる空気を感じてしまいました。ブティック経営が破綻しかけている大女優を母に持つ25歳の女性。ある日交通事故で中年男性をはねてしまうが、やがてその男性の息子と恋に落ちてしまう。どうでもイイような話です。しかし、その才気溢れる演出と水のイメージが重なって、観ている者を渦の中に惹きこんでいきます。カナダ映画ですがケベックが舞台なので仏語が交わされ、その仏語の音感もまたこの映画を妖しいものにしています。音楽の選択は、ちょっと狙いすぎてハズしているような気がしました。

 この夜は恵比寿の「スターライト・シネマ・フェス」で未見だった『ウェディング・シンガー』を観ようと思っていたら、女友達から携帯メールが『今、恵比寿。これからオープン・シネマに行きマース!』。すぐ返信して席を確保してもらい、しっかりベンチで観賞。ドリュー・バリモアがあんまり可愛いのでビックリ!アダム・サンドラーがあまりに普通なんでビックリ!ブシェーミだけが、いつものブシェーミで安心しました。この夜は、ときおり流れてくる心地よい風も優しくて、マコトに気持ちの良い夕べでした。ラブコメはやはり人気が高く、最後は『良かったね!ジュリア!(ヒロインの名前)』というような暖かい拍手が溢れ、席を確保していただいた御礼に御馳走したケーキセットを頬張る彼女には、甘〜いエンドマークがお似合いの夏の夜でした。じゃんじゃん!


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